東北の佐藤洋監督(60)が、試合後、高野連のあり方について、問題提起した。山梨学院との初回、金子和志内野手(3年)が遊失で出塁。一塁ベース上で、ペッパーミル・パフォーマンスを行ったところ、このイニングが終わると一塁塁審がベンチに駆け寄り「パフォーマンスはダメです」と注意されたという。

佐藤監督は「なぜ、子どもたちが楽しんでいる野球を、大人が止めるのか。日本中が今盛り上がっているのに。もう少し、子どもたちが野球を楽しむ方にいかなければ。高校野球を考えていって欲しい」と話した。選手たちはベンチで「やっぱり言われました~」と笑い飛ばしていたという。

佐藤玲磨外野手(3年)は「ああいうパフォーマンスで盛り上がって楽しもう、と言っていた。自分も打ったらやろうと思っていました。WBCでもやっていたのに、高校野球はダメなんだ、と思った」。佐藤響内野手(3年)は「注意を受けてからベンチが嫌な雰囲気になった。自分たちらしさが途切れてしまった。1回以降はやりませんでした」と、下を向いた。

ペッパーミルパフォーマンスは、侍ジャパン・ヌートバーのパフォーマンス。チーム全体にも広がり、盛り上がっている。

◆ペッパーミル・パフォーマンス 侍ジャパンのヌートバーが、所属するMLBカージナルスで行っているコショウをひくポーズ。「粘り強くやる」などの意味が込められている。WBCでも塁上でパフォーマンスし、ナインを鼓舞。大谷ら他選手にも浸透している。

◆佐藤洋(さとう・ひろし)1962年(昭37)6月9日生まれ、宮城県出身。東北時代はエース中条善伸らと79年春夏、80年春夏の4季連続で甲子園出場。79年春と80年夏は三塁手として甲子園開幕試合を経験した。電電東北(現東北マークス)を経て84年ドラフト4位で巨人入団。プロ通算97試合で118打数30安打(打率2割5分4厘)1本塁打、6打点。94年引退後はNPO法人日本野球研究所を設立し、野球界の底辺拡大に尽力。14年1月に学生野球資格回復の認定を受け、昨年8月に母校の監督に就任した。