両チームのセカンドの明暗が、これほどまでにくっきりと濃淡が出てしまう勝負に、何とも言えない気持ちになった。鳥取城北は6回表の守り。2死一塁で二ゴロが飛ぶ。緩いゴロに中村君は猛然と前に出るが、その意欲とは反対に捕球しきれずに後逸してしまう。

これは、記者席から見ているものとしての感想だが、捕球し損ねた時、一塁走者はまだ中村君の左側にいた。捕球だけに専念すれば、二塁封殺、あるいはショートとの連係がずれたとしても一塁でアウトにはできた可能性がある。最悪、内野安打でも2死一、二塁。後逸して、それが2死一、三塁。そこから盗塁され、ピンチは広がった。

懸命に守る内野手として、猛然とチャージした気持ちは痛いほどわかる。分かるだけに、無情の結果に何とも言えない。対して、岡山学芸館の守備は7回裏2死二、三塁。二遊間への打球は、二塁ベースのわずかに一塁寄りという打球コース。やや強めのゴロだった。これを小林君は、あらかじめ二塁ベース寄りに守備位置を変えており、かつ、前に出たいのをこらえて、しっかりバウンドを合わせて確実に一塁でアウトにした。

どちらも前に出たくなる打球であった。それだけに、その判断は難しかった。鳥取城北はそのチャレンジが裏目となり、岡山学芸館はグッと我慢して吉と出た。

その時、その場にいたものでなければ、瞬間の判断について、あれこれ言うことはできない。私は記者席から俯瞰(ふかん)しながら見て、後から解説するわけだから、彼らの判断は最大限に尊重したい。

試合中盤から後半にかけて、同じポジションに試練が訪れる。高校野球ならではの、手に汗握る緊迫の瞬間だった。(日刊スポーツ評論家)

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