5日、激戦区の東西東京大会などが開幕する。3連覇を狙う帝京(東東京)のカギを握るのは、最速152キロ右腕、高島祥平投手(3年)。期待の右腕が最後の夏にかける。

 春夏4度目の甲子園を目指すエース高島は、最速記録を目標に掲げた。「狙えるチャンスはあるはず。夏の甲子園で(高校)最速を出したい」と宣言した。甲子園球場表示では、昨夏の仙台育英・佐藤由規(現ヤクルト)がマークした155キロが最速。プロスカウトのスピードガンでは01年夏の日南学園・寺原隼人(現横浜)が、158キロを計時した。高島はその記録に挑む。

 野球を始めたのは中学1年からだ。小学時代にはアイスホッケーに夢中で、強靱(きょうじん)な下半身の基礎をつくりあげた。高校入学時から継続している筋トレや走り込みの成果で、175センチ、81キロとさほど上背はないが、握力75キロ、背筋力210キロを誇る。今春の慶応(神奈川)との練習試合では自己最速の152キロを記録し、2年夏の149キロから3キロもスピードアップした。

 5月の日向学院(宮崎)との練習試合では、速球を武器に11連続奪三振の快投を見せた。それでも前田三夫監督(59)は「トーナメントを勝つ高い意識を持ってくれないと」と話す。高島は「安定した140キロ台の直球と変化球を使うのも大事。勝ちにこだわる投球で都大会を制する」と、まずは甲子園切符を勝ちとる構えだ。

 6月には関西、中国地方に遠征。強豪校との練習試合で互角に渡り合って、チーム状態も上がってきた。剛腕・高島が甲子園の土を踏めば、記録更新に期待がかかる。【茶木哲】