<高校野球秋季東北大会:酒田南10-0福島商>◇9日◇2回戦◇秋田・八橋球場

 酒田南(山形)は、福島商(福島)に6回コールドで快勝。横手投げに転向した右腕エース会田隆一郎(2年)が、6回1安打無失点と好投した。

 サイドスローの方が、今はしっくりくる。8月末に上手投げから転向した会田だが、序盤は「調子が良かったので」とスリークオーターで投げた。しかし、球が浮く。2回の3連続四球で断念し、3回から横手投げに“再転向”すると制球が安定。以降の四球はゼロで、被安打は6回1死からの中前打だけ。参考ノーヒットノーランを逃しても「サイドに戻してからストライクが先行するようになった」と納得した。

 イップス(精神面が原因の投球障害)を克服するための転向。応急処置だが、やるからには極める。お手本は、阪神の一二三慎太(東海大相模)だ。3年春にサイドハンドになり、夏の甲子園で準優勝した投手で「映像をYou

 Tubeで見たり、本を読んでマネしています」。投球時の体の回転、足の曲げ伸ばしのタイミングなどを参考に投球フォームを模索中だ。

 上手投げで145キロだった直球の自己最速は、139キロまで落ちて、シュート回転するようになった。9月の山形県大会準決勝では、サイド転向の影響で右脇腹を肉離れ。1週間、静養した。それでも「今年はサイドで勝負すると決めているので」。準々決勝の相手は猛打の光星学院(青森)だが「今日みたいな投球ができれば抑えられる」と自信をつけた。【木下淳】