<高校野球福島大会:学法福島3-0湯本>◇15日◇2回戦◇県営あづま

 母へ送る感謝の公式戦初完封だ。学法福島の最速143キロ右腕・永嶋一太投手(3年)が9回116球で3安打7三振。5回1死まで無安打に抑える好投で、春の県大会初戦で敗れた湯本に雪辱を果たした。永嶋を女手ひとつで育て、埼玉から応援に駆けつけた美保さん(39)に「いいピッチングが見せられた」と胸を張った。夏初勝利となった渡辺政太監督(73)も「すばらしい」と絶賛した。

 負けん気の強さは変わらない。小3時に左腕を複雑骨折しても泣かずに野球を続け、医者に驚かれたという。福島への越境入学も「自分を試したい」と頼み、美保さんに「よく考えて」と言われても曲げなかった。マウンドでも初回から全力投球。闘争心を前面に出し、相手をねじ伏せていった。

 大会前、選手たちは千羽鶴を折った。永嶋のメッセージは「母親に恩返ししたい」。そのためにも勝ち続けるしかない。