元エンゼルスの選手が、再び新天地での戦いに挑もうとしている。ジャスティン・ボア内野手(31)だ。阪神と正式契約を結べば、前年エンゼルスに所属していた選手では2年連続での日本球界入りとなる。

今年はジャバリ・ブラッシュ外野手(30)が楽天に入団。メジャー通算では打率1割8分6厘、8本塁打、22打点。昨年所属していたエ軍でもマイナーとメジャーを行き来し、ふがいない結果だった。だが、楽天での1年目は打率2割6分1厘、33本塁打、95打点でチームに貢献。主軸として存在感を示した。

阪神にはジェフリー・マルテ内野手(28)が加入。メジャー4年間では打率2割2分2厘、30本塁打、91打点。18年シーズン、エ軍では主に右投手キラーとして起用されていたが、目立った活躍はできなかった。来日1年目は打率2割8分4厘と米国時代から数字を上げ、12本塁打、49打点の結果を残した。

日本だけでなく、メジャーでも元エンゼルスの選手が新天地で能力を発揮した。今年のワールドシリーズ王者のナショナルズで守護神を務めていたダニエル・ハドソン投手(32)は、春のキャンプで招待選手としてエンゼルスに所属していた。オープン戦では7試合に登板し、6回2/3を投げ防御率6・75。結果が出ず、開幕でエ軍のメジャー40人枠入りはならなかった。

その後はブルージェイズを経て、8月からナショナルズへ移籍。ナ軍では3勝0敗、防御率1・44と抜群の成績を残した。アストロズとのワールドシリーズ第7戦でも9回に登板し、胴上げ投手として君臨。エンゼルス大谷翔平投手(25)が「ウチにいてくれたら」と苦笑いで悔やんだほど、元エ軍の右腕は覚醒した。

数字の成績やデータだけでは、判断できないこともある。環境や立場の変化で、眠っていた能力が引き出されることもあるだろう。ボアを含め、心機一転で臨むメジャーリーガーは新天地でどんな活躍を見せるか。挑戦者たちの奮闘を、注目して追っていきたい。【斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)