かつて、エンゼルス大谷翔平投手(26)の才能を野球殿堂入りしたケン・グリフィーJr.(51)に似ていると評した捕手が、エンゼルスに加入した。ドルー・ビュテラ捕手(37)が7日(日本時間8日)、金銭トレードでレンジャーズから移籍。オンライン取材でその時の状況を明かし、「1日前の夜に知らせを受けた。待ち時間が長くて、フライトには自分のグラブだけ持っていったよ」と、テキサス州ダラスからカリフォルニア州ロサンゼルスへ慌ただしく移動したという。

ビュテラはロイヤルズに所属していた18年の4月12日にエンゼルスと対戦。7回2死満塁から大谷に内角高めの直球を引っ張られ、メジャー初となる三塁打でダメ押しの3点を奪われた。捕手として大谷のスイングを一番近い位置から目の当たりにした同捕手。3年前、こう評していた。

「どれだけ彼がいい打者なのか、すごく驚いている。スイングスピード、パワー、手の使い方、選球眼、どれもいい。内角、外角、低め、すごくうまく打つ」

最も驚いた点は、インサイドの対応だった。「腕が長くても、インサイドをさばけるところかな。基本的には、リーチの長いバッターにはインサイドを攻めるけど、彼はインサイドにも対応できる。スイングのコントロールが素晴らしい」と舌を巻いた。その上で、メジャーの打者で似ているタイプについて明かした。

「才能で言えば、ケン・グリフィーJr.かな。背が高くて、足が速くて、パワーもある」

主にマリナーズで活躍し、本塁打王4度、打点王1度、ゴールデン・グラブ賞10度、走攻守でトップレベルだったレジェンドに、大谷を重ね合わせていた。

ビュテラは14年の日米野球で来日し、大谷のプレーも見ていたという。当時の印象を振り、「すごく感激した。あのシリーズで彼についての話題がたくさんあった。彼のパフォーマンスを見られて、最高だった」。突然のトレード移籍が生んだ新たな縁。同捕手にとって、才能あふれる頼もしい二刀流選手が共に戦う仲間となった。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)