ストーブリーグと言えば、大物FA選手の移籍をはじめ、レッドソックスからドジャースへの移籍が決まったムーキー・ベッツらスター選手のトレードなどが大きな話題となります。その一方で、このオフは、広範囲な監督人事が注目を集めました。

というのも、今オフは、目まぐるしいまでに、各球団で監督が入れ替わりました。

▽カブス デービッド・ロス(42)

▽ロイヤルズ マイク・マシーニー(49)

▽エンゼルス ジョー・マドン(65)

▽パドレス ジェイス・ティングラー(39)

▽ジャイアンツ ゲーブ・キャプラー(44)

▽アストロズ ダスティ・ベーカー(70)

▽メッツ ルイス・ロハス(38)

▽フィリーズ ジョー・ジラルディ(55)

▽パイレーツ デレク・シェルトン(49)

※()内は年齢。

ちなみに、キャンプインを約1週間後に控えた現時点(米国時間2月4日)でレッドソックスの新監督は未定ですが、今季は10球団が新体制でスタートすることになります。今回の場合、アストロズのサイン盗みが明るみに出たことで、アストロズ、レッドソックス、メッツが各監督を解雇したことが、大きな理由ですが、これほど監督人事が激しく動いたオフは記憶にありません。

メジャーに限ったことではありませんが、監督が替わるとチームの雰囲気だけでなく、戦術、戦略も変わります。しかも、近年はアイビーリーグをはじめ高学歴の優秀な若いGMが増えていることもあり、データを駆使した野球が広がっており、各監督には細かい数字への対応も求められています。つまり、監督といえども、チームの方針に従う必要があり、どちらかと言えば「中間管理職」の色合いが、より濃くなってきた印象もあります。

そんな潮流の影響か、かつてはスパーキー・アンダーソンをはじめ、トミー・ラソーダ、ルー・ピネラら“親分的”な監督も多数いましたが、現在はスマートで紳士的なタイプが起用されるようになっています。もちろん、前近代的なオールド・スクールのすべてがいいというわけではありません。

ただ、コンピューターがはじき出したデータ通りの采配だけでなく、独創的でスピード感あふれる野球を見せてくれるような個性派の監督が増えれば、メジャーの野球もさらに魅力的になるような気がします。【四竈衛】

(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)