過去数年来、MLB機構は試合時間短縮を目指して、いろいろなことに取り組んできました。それでも、その効果が表れないどころか、逆に平均試合時間(9イニング)は長くなっています。
19年 3時間5分35秒
20年 3時間7分46秒
21年 3時間10分07秒
メジャーでは、1979年に初めて2時間30分を超えて以来、試合時間は徐々に長くなり始めました。ステロイド全盛期の00年、1試合の平均総得点が過去最多の10・28点を超え、試合時間も3時間を超えました。その後、薬物対策が進んだこともあり、01年から13年までは2時間台に戻りましたが、近年は再び上昇傾向が続いています。
だからといって、激しい点の取り合いが増えたわけではありません。1試合の平均総得点は、むしろ減少しています。
19年 9・66点
20年 9・29点
21年 9・06点
細かいデータに基づいた極端な守備シフトが浸透したこともありますが、今季まで4年連続で総三振数が総安打数を上回る「投高打低」の傾向が見られています。その一方で、19年には史上最多の6776本塁打を記録したほか、総盗塁数は1999年の3421個から今季は約65%の2213個まで減少するなどの変化が顕著になっています。
戦術上では、救援投手に「最低3打者との対戦」を義務付けるなど、時短目的のルール変更にも踏み切りましたが、各チームの1試合平均投手起用は4・43人とほぼ横ばいで、さほど効果はなかったようです。
試合が長くなっている原因は、おそらく1つや2つではないでしょう。コーチ陣や捕手らがタイムを取ってマウンドに行く回数は制限されていますが、二塁に走者を背負った際には、どのチームもサインの順番を変更します。そのたびにバッテリーが確認作業を繰り返すことは、今やすっかり習慣化されています。エンゼルス大谷翔平やマリナーズ菊池雄星ら日本人投手が、帽子の中に入れた紙片を見て捕手に確認する光景を、テレビ中継でご覧になった方も多いことでしょう。
試合内容が「本塁打か三振」のように大味な上に、時間が長くなり続けるようであれば、ファンは離れていきます。逆に、今年の日本シリーズ「ヤクルト-オリックス」のように緊迫した内容であれば、長時間になっても苦にはならないはずです。
時短に躍起になる以前に、MLBには、他にも目を向けるべきことがありそうです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)




