サイ・ヤング賞3回の実績を持つドジャースの左腕クレイトン・カーショー投手が4月13日、ツインズ戦で7回までパーフェクトの快投を演じながらも、80球で交代したことが、米国内で話題を集めました。交代か続投か、の是非を問う声がファンの間でも議論されていましたが、昨今のメジャー球界では「当然の判断」とみられているのが現状です。

2014年にノーヒッターを達成するなど、球界屈指の左腕も、昨季は左前腕痛などで離脱。約3カ月にも及んだロックアウトの影響もあり、今キャンプでは調整が遅れていました。直前に行った実戦形式の登板では75球を投げたものの、最多イニングは6回に満たず、ほぼぶっつけ本番で挑んだ今季初登板でした。

翌日、カーショーは「もし僕がファンであれば、試合を最後まで終わらせたいと願うだろう。ファンの期待からすれば、申し訳ないと思うし、達成できればよかっただろう。でも、その日じゃなかったということだね」と、あらためて交代のタイミングに納得する姿勢を明かしました。継投に踏み切ったデーブ・ロバーツ監督も「選手の健康や球団に最善の利益を生むためにも、ベストの決断だと思う」と、長丁場のペナントレースを見据えた選択であることを説明しました。

7日の開幕戦で、ダイヤモンドバックス相手に6回までノーヒッターと好投したパドレスのダルビッシュ有投手にしても、大記録への意識を持つ一方、納得してマウンドを降りました。「4回くらいから、ああ、ノーヒットだなと思っていたが、開幕から120、130球と投げるわけじゃない。(続投は)絶対ないと分かっていた。6回をしっかり投げられたのは良かった」と、サバサバとしたものでした。球数が92球に達していたこともあり、割り切ることはさほど難しくなかったのでしょう。

10日に完全試合を達成したロッテ佐々木朗希投手の場合、7回まで85球を投げており、カーショーと似通っていますが、故障明けで手探りだった34歳のベテラン左腕の体調を、首脳陣が憂慮するのは仕方なかったのでしょう。

もし、ロックアウトが長期化せず、オープン戦を予定通りに実施できていれば、例年通り、カーショーの調整が進んでいた可能性もあります。

ただ、カーショー自身は、個人記録にこだわりを見せることなく、サラリと言ってのけました。

「たぶん、次のチャンスがあるさ」

実力者カーショーの言葉だけに、次回こそは…と期待したいものです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)