エンゼルス大谷翔平投手(27)の受賞ラッシュが一段落しました。そして気になるのは、大谷と同学年で広島からポスティングシステムでのメジャー移籍を目指す鈴木誠也外野手(27)の進展状況です。

ご存じのように、大リーグは新労使協定が合意に至らず、12月2日未明からオーナー側のロックアウトに突入しました。経営陣によるロックアウトは1990年以来31年ぶり4度目で、そのためトレードやFAなどの契約交渉がすべて凍結されました。11月23日から全30球団との交渉が可能になった鈴木も、リミットまで約20日間を残し、一切の交渉が中断しています。

代理人を務めるジョエル・ウルフ氏は、ロックアウト前時点で接触しているチームを「8~15球団」と明かしました。その後、11月では過去最高の契約ラッシュにより、獲得を見送る球団があるかもしれません。とはいえ、FA市場で出ていた同じ右打ちの外野手、および鈴木の前後にランクされていた複数の選手がすでに契約したこともあり、有利に交渉を進められるという見方が一般的です。

なぜなら、たとえば米スポーツ専門局ESPNのFAランキングで10位だったスターリング・マルテ外野手(アスレチックスFA)が、メッツと4年7800万ドル(約85億8000万円)で契約。また、同19位のアビサイル・ガルシア外野手(ブルワーズFA)は、マーリンズと4年5300万ドル(約58億3000万円)で契約。同17位の鈴木は彼らの契約をたたき台にして交渉できるからです。

一方で、新労使協定締結後は買い手市場になるとの見方もあります。そうなると、球団側が金額的にも条件的にも有利な取引が可能になります。ヤンキースなどの球団がロックアウト前に目立った補強を行わなかったのも、新労使協定で設定される年俸総額の上限など、協約上のルールを把握した上で動きだすという考えがあるようです。

いずれにせよ、交渉再開後は球団を選択しやすくなりそうです。理由としては、鈴木が金銭面以上に「勝てる球団」を希望しているからです。例年に比べて、早い時期に大物選手の移籍先が次々と決まったことで、来季優勝のために積極的に戦力補強するチームが見えています。勝てる球団を絞りやすい状況にあります。

ただ気になるのは、労使交渉決着の時期です。鈴木はロックアウトにも「もう分かっていたこと」と冷静な構えを示し、ウルフ代理人も希望的観測として「来年1月のどこかの時点」を想定しています。しかし、労使双方の主張にまだ大きな隔たりがあり、越年どころか最悪の場合、2月中旬からのキャンプインに影響する可能性もあります。

ウルフ代理人は「彼は金銭面以上に安全に暮らせる街を望んでいる。実際に米国へ来て、キャンプ施設や本拠地を視察することになるだろう」と語っていました。しかし、新労使協定が締結され、契約交渉が再開しない限り、キャンプインに間に合わない恐れがあります。日本人野手では大谷に続く高い評価を受けており、ロックアウトによる出遅れだけはないことを願うばかりです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)