大リーグは今年もエンゼルス大谷翔平投手(27)をはじめ、多くの日本人選手たちの活躍が楽しめそうです。

現在、所属先が決まっているのはパドレスのダルビッシュ有投手(35)、ツインズ前田健太投手(33)ら6人。新労使協定が締結され次第、マリナーズからFAの菊池雄星投手(30)、広島からポスティングシステムで米球界入りを目指す鈴木誠也外野手(27)の新天地も決まってくるでしょう。

今シーズン日本人選手を楽しむ要因の1つは、投手と野手の割合です。例年、大リーグでは日本人投手が野手に比べて圧倒的に多く存在します。しかし、今年は投手が5人、野手が3人。DH大谷を足せば4人とほぼ同じ人数になります。これも、投打二刀流の大谷の波及効果といえるかも知れません。

また例年、日本人はア・リーグ所属が多い傾向にありますが、ここまでア、ナ両リーグに3人ずつ。もしナ・リーグ東地区の球団に菊池か鈴木が移籍すれば、両リーグの東中西各地区に日本人が所属することになります。それだけ、いろいろなチームとの対戦も多く見られそうです。

中でも、先発投手陣はダルビッシュ、大谷の「ダブルエース」に注目です。まずは3月31日(日本時間4月1日)、日本人のダブル開幕投手は実現するでしょうか? また、今季インターリーグ(交流戦)で2人が所属するチーム同士の対戦はありませんが、今年こそ7月19日(日本時間同20日)にドジャースタジアムで開催されるオールスターゲームで、2人の投げ合いや投打の対決が見られるでしょうか? そして、ダルビッシュが日本ハム時代、および大リーガーとして、先輩の意地を見せるかに注目したいところです。

日本人唯一のサウスポー菊池は、昨年初のオールスター選出も後半戦不振に陥り、最後はプレーオフ進出争いの中で先発ローテーションから外される屈辱を味わいました。そこで今年は心機一転、FA市場で複数のラブコールの中から、新天地で再スタートします。メジャー4年目で初の2桁勝利を挙げ、ダルビッシュ、大谷と共に「日本人10勝トリオ」誕生を期待したいです。

救援投手では、レッドソックス沢村拓一(33)が昨年1年目から55試合に登板し、プレーオフに出場した唯一の日本人になりました。ただ、公式戦では53イニングで32四球を与え、9本塁打を浴びました。そのため、プレーオフではワイルドカードゲーム、地区シリーズともに登録メンバー外。今季は制球力と1発病の課題を克服し、さらに重要な役割を担ってほしいです。

ちなみに、昨年ダルビッシュと共に日本人初のダブル開幕投手を務めた前田は、昨年9月に右肘手術を受けましたが、最短6月にも復帰できる見込みです。また、2月のキャンプにレンジャーズの招待選手として参加する有原航平投手(29)がメジャーの舞台に戻ってくれば、もっとにぎやかになります。

次回は野手陣にクローズアップし、日本人メジャーのもう1つの「楽しみ方」を紹介します。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

パドレス・ダルビッシュ(2021年9月8日撮影)
パドレス・ダルビッシュ(2021年9月8日撮影)