今季の大リーグはエンゼルス大谷翔平投手(27)をはじめ、現時点で8人の日本人選手がメジャーで開幕を迎えられそうです。投手陣は大谷、パドレス・ダルビッシュ有(35)、ツインズ前田健太(33)、レッドソックス沢村拓一(33)、マリナーズからFAの菊池雄星(30)の5人。前田は昨年9月に右肘のトミージョン手術を受け、開幕は負傷者リストで迎える予定ですが年内、早ければ9月にも復帰の可能性があります。

打撃陣は「日本人スラッガートリオ」に注目です。DHを兼任するエンゼルス大谷、パイレーツ筒香嘉智外野手(30)に加え、広島から鈴木誠也外野手(27)がポスティングシステムで米球界入りを目指しています。3年以上での大型契約が確実視されており、新労使協定が締結されてロックダウンが終わり次第、新天地が一気に決まっていくでしょう。

かつて、日本人でスラッガータイプといえば、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜外野手ぐらいでした。しかし昨季、日本人史上最多46本塁打を放った大谷効果か、パ軍にFA残留した筒香に続き、新たにメジャー挑戦の鈴木とパワーヒッター3人がそろい踏みします。

中でも、筒香は昨年8月16日にパイレーツ移籍後、43試合で8本塁打と本領を発揮しました。今季ナ・リーグで指名打者制が採用されれば、打撃に専念できて追い風となりそうです。また、昨季広島で自己最多38本塁打を放った鈴木への評価も高く、日本人右打者のシーズン最多記録18本塁打(06年のホワイトソックス井口とマリナーズ城島)を軽く超えて欲しいです。大谷と合わせて、日本人初の「30本塁打トリオ」を期待したいです。

あとは、3年契約最終年のレッズ秋山翔吾外野手(33)がどう巻き返すか? 今季は外野の控え候補ですが、レギュラー3人ともケガが多く、十分チャンスはあります。定位置奪取を期待します。

あと1歩でメジャーの舞台に届きそうな選手もいます。日本生まれ米国育ちの加藤豪将内野手(27)はブルージェイズとマイナー契約。チームが求める左打ちで、本職の二塁だけでなく内野全ポジション、さらに外野両翼も守れるユーティリティープレーヤーです。2月の春季キャンプに招待選手として参加し、プロ10年目で初のメジャー昇格に挑みます。

大谷も「ヒリヒリする9月を過ごしたい」と言っていたように、ペナントレース終盤まで日本人選手の活躍を1人でも多く見たいものです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)