日本人メジャー最速、そして「ルース超え」のメモリアル弾が飛び出しました。

エンゼルス大谷翔平投手(27)が14日(日本時間15)のアスレチックス戦で、出場459試合目で米100号本塁打を放ちました。まだ1リーグ時代の1890年、ハリー・ストービー(ボストン・レッズ)が大リーグ史上初の100号アーチに到達。以来、ホームランバッターにとって100号は最初のマイルストーン(節目の記録)となっています。

ア・リーグ史上初の通算100号は、ベーブ・ルース(ヤンキース)でした。それまでギャビー・クラバス(フィリーズ)が持っていた通算1016試合での到達記録を大幅に更新。1920年に当時史上最速の529試合目でクリアしました。

その1920年代から“飛ぶボール”によるホームラン時代が到来。やがて、通算400試合未満での100号突破がスラッガーの勲章となりました。現在までにライアン・ハワード(フィリーズ)の史上最速325試合を筆頭に、12人が達成しています。

その1人では、ジョーイ・ギャロ(当時レンジャーズ、現ヤンキース)がわずか93本のシングルヒットで100号という珍しい記録を樹立。史上初めて100本塁打以上、100単打未満の選手となりました。

今年4月12日には、若きスーパースターのフアン・ソト(ナショナルズ)が100号をクリア。メジャー5年目、通算470試合目での到達でしたが、史上27人目の24歳未満、また到達時点で史上6人目の三振より四球が多い選手となりました。

大谷は2020年までDHを解除した「リアル二刀流」での登板はなく、打席に立った試合に限れば444試合目での到達。いずれにしても、投打でフル回転しながら、これほど少ない試合数で100号をクリアしました。昨年オールスター前日の本塁打競争で敗れたソトよりも速いペースとは驚きです。

投手では言うまでもなく、圧倒的な量産ペースです。ウエス・フェレル(インディアンスなど)の史上最多38本塁打(登板時のみ)、ニグロリーグで伝説的な二刀流選手だったブレット・ローガンの通算50本塁打がかすむほど、不滅となりそうな金字塔を打ち立てようとしています。

時代が異なるとはいえ、元祖二刀流ルースのペースも大幅に上回る100号。それも大谷にとっては単なる通過点に過ぎません。いつの日か、投手として通算100勝、打者として100本塁打&100盗塁以上、投攻走で前人未到の「トリプル100」も達成可能でしょう。おそらく、本人もそれぐらい大きな夢を持って挑み続けているはずです。(大リーグ研究家・福島良一)