エンゼルス大谷翔平投手(28)が投打ダブル規定に到達したレギュラーシーズン最終日の10月5日、フィル・ネビン監督代行(51)が来季も指揮を執ることが決まりました。
6月7日にジョー・マドン監督(68)が電撃解任され、三塁コーチから監督代行に。その時点でチームは12連敗中だったとはいえ、まだ27勝29敗。わずか借金2から手腕を試されました。
ところが、ネビン監督代行後は46勝59敗の借金13と、さらに勝率を落としました。また、6月26日のマリナーズ戦で大乱闘事件を起こし、10試合の出場停止処分も科されました。あまりいい要素がなかっただけに、「続投」は意外でした。
しかし、最後の60試合に限れば、30勝30敗と勝率5割でフィニッシュ。特に若手の先発投手陣が安定し、リリーフ陣も好調。そして何より、大谷の起用法が素晴らしかったと言えます。
マドン前監督とネビン監督では、大谷の起用法で違いが2つありました。1つは先発登板前後の休み、もう1つは打順です。
マドン前監督は大谷が先発登板する前後の休みを重視しました。同監督時代は先発前後の休みあり、休みなしの登板が4試合ずつでした。
一方、ネビン監督代行になってからは休みありが4試合に対し、休みなしが15試合。特に8月第2週以降、毎週のように木曜日に試合がなかったにもかかわらず、あえて先発登板前後の試合がある日に登板。逆に、休み前後の登板は1試合もありませんでした。
それは大谷にとって、先発登板前後の休みはあまり関係ないからのようです。むしろ、先発登板翌日の試合によく打つことが話題になりました。実際、ネビン体制では19試合に登板し、その翌日の打撃成績は打率3割8分5厘(52打数20安打)、9打点、6本塁打と好調でした。シーズン後半戦は主に中5日で先発。最終的には1900年以降の近代野球史上初の規定投球回、および規定打席に到達し、いわゆる「ダブル規定」の偉業達成につながったと言えます。
また、マドン前監督は開幕から主に1番打者で大谷を起用しましたが、ネビン監督代行は主に3番打者で起用。2番マイク・トラウト外野手(31)が欠場のときだけ2番に上げました。その結果、トラウトが3年ぶり3度目の40本塁打と復活。特に9、10月は28試合で打率3割2分1厘、12本塁打をマーク。大谷が後ろを打つことによって、7月以降の敬遠四球は2つだけでした。
また、大谷も1番でなく3番を打つことにより負担が軽くなりました。オールスター前日の本塁打競争辞退やオールスターも打者に専念したことが影響したと思いますが、昨年に比べて後半戦の成績が向上。前半戦は打率2割5分8厘に対し、後半戦は2割9分3厘、長打率も4割8分7厘から5割6分1厘に上がりました。
最大の良き理解者であるマドン監督解任は、大谷にとってマイナスかと思いましたが、必ずしもそうではなかったようです。むしろネビン監督代行によって、好影響をもたらしたとも言えます。それがネビン監督続投の大きな決め手となり、来季も大谷とウィンウィンの関係を築き、9年ぶりのポストシーズン進出につながればと願います。(大リーグ研究家・福島良一)(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




