ワールドシリーズが5日(日本時間6日)に終了し、2022年王者はア・リーグ西地区で圧勝したアストロズに決まりました。そして同地区に所属し、メジャー5年目を終えたエンゼルス大谷翔平投手(28)は10月18日に帰国しました。チームは8年連続でポストシーズン進出を逃し、来季へ向けた補強ポイントは投打とも多そうです。今回はエンゼルスの投手陣について分析したいと思います。
今季チーム防御率はア・リーグ15球団中で6位の3.77。特に、先発陣は同4位の3.67と健闘しました。ただし、規定投球回に達したのは大谷だけでした。一般的に、プレーオフに出場するチームは、規定投球回以上の先発投手が3人は必要とされます。実際、今年ア・リーグでプレーオフに進出したチームをみると、6チーム中4チームが3人、残る2チームも2人いました。
それに比べて、エンゼルスは2014年に地区優勝したときは3人でしたが、以降は2人、1人と減少。コロナで60試合の短縮シーズンとなった20年は2人いましたが、19年以降のフルシーズンで規定投球回に達したのは今年の大谷1人のみです。近年は大リーグでも規定投球回到達が減少傾向にありますが、それでもエンゼルスは明らかに頭数が足りていません。
そういう意味で、来季の投手陣に一番必要なのは、大谷に次ぐ“本物”の先発投手、つまり規定投球回の162イニング以上投げられるピッチャーです。今季大きく成長したパトリック・サンドバル(26)、ホセ・スアレス(24)、リード・デトマーズ(23)の若手左腕トリオから「柱」の台頭を期待したいところです。エンゼルスは6人ローテーション制を採用しているところもあり、まずは最低でも1人、先発投手を獲得する必要がありそうです。
一方、リリーフ陣はリーグ11位の防御率3.95。特に、同13位の553奪三振、同ワースト15位の奪三振率8.40は懸念材料です。ポストシーズンで各チームの戦いを見ると、時速100マイル(約161キロ)級を連発する救援投手が次々に出てきます。やはり、剛速球で三振が奪える投手の必要性を痛感させられました。
ところで、昨年8月にペリー・ミナシアンGMと会って雑談したとき、ドラフトで20人全員投手を指名したことを自慢げに話してくれました。そこで「さらに7月末のトレード期限で5人の投手を獲得しましたね」と言うと、あの丸い目をさらに丸くして喜んでいました。当時から、投手力強化に懸命な様子がうかがえました。
話題はさらに日本人投手にも及びました。彼から「ヤマモト(オリックス山本由伸)はどうか?」などとたずねられました。ブレーブスのGM補佐時代から何度も日本に訪れているようで、日本人投手への関心の高さを感じました。
今オフはソフトバンク千賀滉大投手(29)が海外FA権の行使を明言。さらに、阪神藤浪晋太郎投手(28)がポスティングシステムでメジャー挑戦します。千賀はすでに日本球界を代表する先発投手として高い評価を受けています。
一方、藤浪も高校時代に同学年の大谷以上に米国では高く評価され、「マウントフジ」の愛称で知られました。つまり、日本一の投手という意味です。同GMが「大阪は大好き。たこ焼きなど食べ物がおいしい。コウシエンも素晴らしい」と気に入っていたぐらいですから、当然、甲子園球場を本拠地とする阪神藤浪のピッチングも見ているはずです。果たして、エンゼルスが新たに日本人投手の獲得に動くのでしょうか。オフの動きに注目したいと思います。(大リーグ研究家・福島良一)
(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




