エンゼルス大谷翔平投手(29)とともに、エキサイティングな1人として注目を集めている選手がいます。レッズの大物ルーキー、エリー・デラクルス内野手(21)です。

レッズの超新星ルーキー、大型遊撃手のデラクルス(撮影・福島良一)
レッズの超新星ルーキー、大型遊撃手のデラクルス(撮影・福島良一)

ドミニカ共和国出身で、身長198センチの超大型内野手で本職はショート。6月6日にメジャーデビューすると、超人的な身体能力で注目を浴び、わずか15試合目でサイクルヒット達成。球団史上34年ぶりの快挙を成し遂げました。

確か、そのときだったと記憶しています。エンゼルスのテレビ中継で大谷が打席に立つと、大谷級のパワーとスピードを兼ね備えた「新怪物」現ると言った感じで、デラクルスを映像で紹介していました。

その後も、7月8日に1イニングで打者1人の間に、二盗&三盗&本盗にも成功。レッズでは1919年以来の快挙を達成しました。また、今季メジャー最速の打ってから三塁到達までのタイムが10・83秒。「球界最速の男」としても話題になりました。

さらに同16日には、三塁から一塁への送球でメジャー新記録の約158キロ! 2015年にスタットキャストでの計測が始まってから、史上最速記録を更新しました。その4日後には160キロ超えであっさりと自己記録を塗り替えるなど、剛速球ならぬ“剛送球”でも全米に知れ渡りました。

そして、チームもデラクルスの活躍によって66年ぶりの12連勝をマーク。12年を最後に優勝から遠ざかっていますが、4位から1位へ大躍進。地元シンシナティの人たちも、スーパーヒーローの誕生に大熱狂しているようです。

オハイオ川の対岸からシンシナティのダウンタウンとレッズの本拠地グレートアメリカン・ボールパークを臨む福島氏
オハイオ川の対岸からシンシナティのダウンタウンとレッズの本拠地グレートアメリカン・ボールパークを臨む福島氏

私も7月下旬に渡米した際、レッズの本拠地グレートアメリカンボールパークを訪れました。練習前、一塁側ダッグアウト周辺で待機していると、お目当ての選手がやって来ました。“新怪物”を目の前にして、あらためて恵まれた体にビックリしました。さっそくあいさつすると、まだあまり英語は話さないようでした。それでも、「あなたはオオタニ級のプレーヤーだ」と言ったら通じたようで、満面の笑みを浮かべ、喜んでピースサイン。まだあどけない好青年といった印象です。

まずはショートの定位置で守備練習を見ると、他の選手と比べて身長の違いが一目瞭然です。また、長身選手とは思えないぐらい軽快なフットワークを披露。規格外のプレーにも度肝を抜かれました。その後、左右両打席からフリー打撃を行い、野性味あふれる豪快なスイングで軽々と外野席へ運びました。レフト後方のメッセージボードには、1球ごとに打球速度や飛距離が表示されるので、打球の大きさなどを肌で感じることが出来ました。

試合前に打撃練習を行うレッズの新人デラクルス(中央)
試合前に打撃練習を行うレッズの新人デラクルス(中央)

こうして、試合開始前にはスタンドが超満員になりました。そして、観客のほぼ全員がチームカラーの真っ赤なユニホームやTシャツ姿で応援。その背中を見ると、ほとんどがデラクルスの背番号「44」を付けていました。それぐらい地元で爆発的な人気があるのに驚かされました。残念ながら先発出場しませんでしたが、8回に三塁走者の代走に起用されると場内から大歓声。また、次打者の内野ゴロの間にホームに疾走すると、割れんばかりの拍手が起こりました。

試合前練習を終えて、地元ファンと交流するレッズの新人デラクルス(撮影・福島良一)
試合前練習を終えて、地元ファンと交流するレッズの新人デラクルス(撮影・福島良一)

その後も目覚ましい活躍を見せて、1900年以降の近代野球史上ではバリー・ボンズ(当時パイレーツ)に次ぐ2位のデビュー58試合目で10本塁打&15盗塁以上をマーク。野球の2大要素であるパワーとスピードをいかんなく発揮しています。

エンゼルスは21~23日(日本時間同22~24日)、その超新星デラクルスを擁するレッズを迎えて本拠地3連戦を行います。はたして、大谷とデラクルスがどんなプレーを見せてくれるのか。右腕の疲労で先発登板を1度回避した大谷も、23日(同24日)に復帰先発を予定。2人の初競演に注目しましょう。(大リーグ研究家・福島良一)

試合前に打撃練習を行うレッズの選手たち。手前は福島氏
試合前に打撃練習を行うレッズの選手たち。手前は福島氏