トレード期限まで2週間となるなか、ヤンキースが大型補強に成功した。18日、ホワイトソックスとの間で3対4のトレードを成立させたのだ。

 ヤンキースはトッド・フレージャー内野手、デービッド・ロバートソン投手、トミー・カンリー投手を獲得。ホワイトソックスにはベテランの中継ぎ右腕タイラー・クリッパード投手に加え、昨年のドラフト1巡、全体18位指名のブレイク・ラザフォード外野手、2013年のドラフト1巡指名イアン・クラーキン投手、コロンビア出身ティト・ポロ外野手という若手有望株3選手が移籍した。

 ヤンキースは19日時点でア・リーグ東地区で首位レッドソックスから4ゲーム差で3位。レイズとともに激しい首位争いを展開している。2年ぶりのプレーオフ進出、5年ぶりの地区優勝に向けて強打者とリリーフ陣の補強が必要となっていた。一方ホワイトソックスは中地区で最下位に沈んでおり、オフシーズンから続く主力選手を放出し、将来有望な若手選手を数多く穫って来シーズン以降チームを立て直そうという動きをさらに加速させた形だ。

 フレージャーは昨年40本塁打を放ち、今シーズンは移籍前81試合の出場で打率は2割7厘ながら16本塁打を記録していた。三冠王も期待される新人アーロン・ジャッジ外野手と共に中軸を打つことを期待される。19日行われた移籍後最初のツインズ戦では途中出場で三振を喫した。

 ブルペンを厚くすることが期待されるロバートソンは2006年にドラフト17巡指名でヤンキースに入団、2008年にメジャーデビューを果たし、以降セットアッパーとして活躍した。守護神マリアノ・リベラが引退した翌年、2014年には39セーブを挙げている。その後FAでホワイトソックスに移籍し、昨年は37セーブを記録、今シーズンは31試合の登板で4勝2敗13セーブという成績だった。ヤンキースではアロルディス・チャプマン投手が今シーズン今ひとつ安定していないため、セットアッパーだけでなくクローザーとしても起用されるかもしれない。

 今回のトレードはヤンキースにとってただの戦力補強だけではないと受け止められている。それは首位レッドソックスもフレージャーとロバートソン獲得に動いていたと報じられていたからだ。好調なレッドソックスながらデビン・マレロ三塁手がここまで打率2割9厘と不振であり、やはりリリーフ陣と共に補強の必要があると見られているのである。今回のトレードはレッドソックスの動きを制した形でもあるのだ。

 ここからレッドソックスが、さらにその他のチームがどう動くか。注目の日々が続く。