現地22日、今年の米野球殿堂入り選手が発表され、元ヤンキースのマリアノ・リベラ氏が資格1年目で史上初の満票で選出された。

殿堂入りは全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上在籍する記者による投票で75%以上の得票が条件となっている。今回は425人が投票し、その全員がリベラ氏に入れたことになる。これまでの最高得票率は元マリナーズのケン・グリフィー氏の440票中437得票の99.32%だった。

リベラ氏は1995年からヤンキース一筋で19シーズンにわたってクローザーとして活躍した。代名詞ともなったカットボールを武器に史上最多の通算652セーブを挙げている。その間にワールドシリーズチャンピオンに5回導き、99年のワールドシリーズではMVPにも輝いた。プレーオフでの防御率0.70は驚異的で、どれほどの絶対的守護神であったかを示している。オールスターにも13回選出されている。

そんな大スター選手だっただけに今回の殿堂入りは本人も自信があったようだが、満票というのは考えていなかったようだ。そのことがわかるのがFNTSYネットワークのマルチノ・プシオ記者が撮影した自宅で家族とともに殿堂入りの知らせをスマートフォンで受けるリベラ氏の様子を撮影したビデオ。殿堂入りが知らされた段階では、本人を含め皆ソファに座ったまま拍手をする程度の喜び方だったのだが、もう一つ知らせがある史上初の満票だったと言われると、全員が叫び声を上げて跳び上がって喜びを爆発させたのだ。やはり格別なのであろう。

リベラ氏以外では3人が殿堂入りする。元マリナーズで首位打者2度、通算2247安打、309本塁打のエドガー・マルティネス氏が殿堂入りの資格最終年の10年目で85.4%の得票率だった。元ヤンキースとオリオールズのマイク・ムシーナ氏は18シーズンで270勝、2813奪三振を挙げ、76.7%となっている。ブルージェイズとフィリーズでエースとして活躍し、通算203勝、サイ・ヤング賞2回ながら17年11月に小型機の墜落事故で40歳で死去したロイ・ハラデー氏は1年目で85.4%を得ている。

一方で禁止薬物の使用が取りざたされた、元ジャイアンツなどで歴代トップの762本塁打のバリー・ボンズ氏と、レッドソックスなどで354勝のロジャー・クレメンス氏はいずれも7年目だったが、共に得票率は59%台で落選となった。依然厳しい目が向けられているのだ。