バド・セリグ前MLBコミッショナーが考える本塁打王はバリー・ボンズ氏ではなく、ハンク・アーロン氏のようだ。

ニューヨーク・ポスト電子版は17日付けで、セリグ氏が自身の新刊「フォオ・ザ・グッド・オブ・ザ・ゲーム」の宣伝のため、トークショーに出演した時の発言について伝えている。それによると真の本塁打王は誰だと思うか、という質問に対してセリグ氏の答えは762本塁打のバリー・ボンズ元外野手ではなかった。

セリグ氏は「それに対しこれまで答えてこなかった。でもこう言いたい。自分の中ではボンズが記録を持っているとしても、記録は記録だと言ったが、ヘンリー・アーロンだと感じていると思う」と語ったということだ。さらにアーロンが史上最高の本塁打王か、と確認されると「イエス」と即答している。

一方で2007年にボンズ氏が756本目の本塁打を放ち、アーロンの記録を抜いた際にはコミッショナーとしてボンズ氏を祝福しなければならなかったことについても明かしている。「気分が悪いということはまったくなかった。自分がやらなくてはならないことはわかっていたし、ハンク・アーロンと自分が今日まで62年間親友であることもわかっている。実際、先週もアトランタで彼と会い、この件についていつものように話したよ」と話している。

1998年から2015年までコミッショナーを務めたセリグ氏だが、その在任期間は筋肉増強のためのステロイドなど薬物使用が横行した時代としても知られている。その事についてセリグ氏は薬物検査システムを導入したことについては賞賛したものの、ボンズ氏や他の選手の薬物使用についてと殿堂入り問題についてのコメントは拒否したということだ。

セリグ氏とアーロン氏の友情は有名で、1963年にミルウォーキー・ブレーブスの大株主となった際、チームの中心選手だったのがアーロン氏だった。セリグ氏はアーロン氏のファンとなったという。2年後にチームがアトランタに移転後、セリグ氏はミルウォーキーにMLBチームを復活させるため奔走、1969年に誕生しその年限りで破産したシアトル・パイロッツを購入し、1970年の開幕前にミルウォーキーに移転させてブルワーズを設立した。そしてアーロン氏は1975年にブルワーズに移籍し、現役最後の2シーズンをブルワーズでプレーした経緯がある。

そうした背景もあってセリグ氏の考える真の本塁打王はアーロン氏であるようだ。