MLBのチームオーナーたちがオリオールズの現オーナーの息子、ジョン・アンジェロス氏をチーム管理者として承認した。この件とオリオールズ売却の噂の関連が注目されている。地元紙ボルチモア・サンの電子版が現地3日付で報じたもの。

記事によれば現オーナーのピーター・アンジェロス氏からチームの管理者「コントロールパーソン」の役割を継承したことがチームオーナーたちの投票により承認されたという。全所属チームが主要な連絡先として管理者を指名する必要があり、管理者はチームの運営に責任を負う。承認には全オーナーの4分の3以上の投票が必要となるが、今回の投票プロセスは非公開だったため、承認について同紙に語った情報筋は投票数を明らかにしなかったということだ。

通常、チームオーナーと管理者は同じだが、現在91歳のピーター氏は数年前から健康状態の悪化が伝えられている。このため先月末にピーター氏が死去した場合、チームを売却する動きが出ると予想し、少なくとも3つのグループが買収の意向を示しているとの報道が出ていた。チームがボルチモアにとどまることを約束するグループが優先される意向や、ピーター氏の存命中に売却すると累進課税が課されるため、あくまで死去後になるということまで訴求されたものだった。

これに対しチームは今月2日、ファン宛でマイク・エリアス副社長兼GMが「ボルチモアでのオリオールズの将来について不確かなことは何もないことを明確にしたい」というメールを送信している。さらに「我々はボルチモアのコミュニティをリードするために、フィールド上とフィールド外で成功するように、何十年にもわたってコースを維持している」とも述べたということだ。

ピーター氏はチームの合資会社の株式の過半数を保持し続けている。ただすでにチーム運営には携われなくなっており、50代前半の長男ジョン氏と弟で弁護士のルイス氏が実質的にチームの運営を行ってきた。

今回の承認により、ひとまずはチームの所有権と運営責任のありどころが改めて明確になった形だ。ただアンジェロス家はチームの後継者計画を発表するのは時期尚早だと話している、という報道もあり今後の行方はわからない。しばらくさまざまな噂が飛び交うことになりそうである。