現地21日、ヤンキースはアーロン・ジャッジ外野手と契約延長を正式発表した記者会見でジャッジを第16代キャプテンに任命したことを発表した。

今シーズン、ア・リーグ新記録となる62本塁打を放ちMVPを獲得したジャッジはフリーエージェントとなり、ジャイアンツとパドレスからも高額なオファーを受けていたが、最終的にヤンキース史上最高額となる9年総額3億6000万ドルの大型契約で残留を決めていた。

歴史あるヤンキースにおいてキャプテンの称号を与えられるのは特別なことだ。先代はデレク・ジーター元内野手で、2003年から2014年までその座に就いていたが引退後は不在が続いていた。その前においても背番号23が永久欠番となりヤンキースの監督も務めたドン・マッティングリー元一塁手が1991年から1995年までとなっている。1939年にルー・ゲーリック元一塁手が引退してからサーマン・マンソン元捕手が1976年に就くまで37年間も空位だったこともあった。

それだけに今回のキャプテン就任は特別なことなのだ。ヤンキースのオーナーであるハル・スタインブレナー氏は会見で「アーロンのいないヤンキースを想像するのは難しい」と述べ、両者が契約に合意した後、ジャッジにキャプテンになることを要請したと明かしている。

ジャッジはこの申し出に衝撃を受け、沈黙したという。「びっくりしました。この肩書を持つ人たちのリストを見ると、あまりにも名誉なことです」とその心境を語っている。

これに対しアーロン・ブーン監督は「いろいろな意味で、当然の選択だった。この2、3シーズン、彼はそのように成長してきた。彼が永遠にピンストライプを着ることになる今、次のステップがキャプテンの座であることは自然なことだ」とコメントした。

一方、微妙な立場になってしまったのがブライアン・キャッシュマンGMだ。2015年にジーター氏が引退したとき、「キャプテンシーは(ジーター氏の背番号)2番と共に引退させるべきだ。他の誰にもキャプテンの座は譲らない。彼はとても優秀で、それに完璧だった」と語っていたからだ。

ただその考えは撤回されたようだ。キャッシュマンGMは今月、ジャッジは良い選択になるだろうと語り、「確かに、私はデレク・ジーターと彼のキャリア、そして彼が残した遺産に敬意を表して、自分の気持ちを伝えた。再びそれが必要になるかどうかはわからない、と述べるのが適切だったと思う。しかし、それは他の誰かがふさわしいかどうかを意味するものではないんだ。そして明らかにアーロン・ジャッジの場合、彼は飛び抜けている」と語っている。

新「ザ・キャプテン」がどうヤンキースを引っ張っていくか見守りたい。