熾烈なプレーオフ争いが続く中、カブスの鈴木誠也外野手が手痛い失策を犯し、敗戦に結びつけてしまった。しかしチームは全体で鈴木をサポートしている。

現地26日のブレーブス戦、カブスは一時6点リードしていたものの、追い上げられ、6対5で迎えた8回裏2死二、三塁という場面でそれは起こった。右中間への飛球に右翼を守っていた鈴木が捕球体勢に入ったものの、ボールはグラブをかすめ、落球となってしまったのである。これによりブレーブスは逆転し、そのまま7対6でカブスは敗れることとなってしまったのである。

鈴木はこのエラーに関し、「(打球が照明に)かぶるな、かぶるなと思って走っていたが、最後のギリギリでかぶった。捕ったと思ったが、ああいう形になった。言い訳にならない」とコメントしている。

これに対し、カブスのデビッド・ロス監督は「誠也は1カ月半以上、攻撃面で我々を引っ張ってきてくれた」と鈴木を擁護。ジャスティン・スティール投手も「彼なしでは我々はここにいない」と話し、ドリュー・スマイリー投手は、「誠也はこの1カ月間、リーグで最高の打者の1人だった。彼はチームを背負ってきた。我々は皆彼をサポートしており、応援している」と語っている。

こうしたチームメートたちの言葉に対し、鈴木は「そうしたコメントは嬉しい。しかし、こういう試合は我々にとって本当に、本当に重要だ。そしてそれを落としたという事実はシーズンのこの時点で我々の望んだ最高の結果ではない」と反省の言葉を述べたということだ。

実際、9月に入って鈴木はめざましい活躍を見せてきた。 出塁率と長打率を足し合わせた値、OPSは1.162で、これは1.229のレッズ、TJフリードル外野手、パドレスのザンダー・ボガーツ遊撃手(1.206)、ブレーブスのマット・オルソン外野手(1.184)に次ぐMLB4位の成績である。また、この試合でも3回に2点適時三塁打を放ち6点リードに貢献するなど、5打数2安打2打点だった。

ただこの敗戦はたしかに大きいものだったのは事実だ。カブスは26日終了時点で、ワイルドカード争いの3位。4位マーリンズは1ゲーム差、5位レッズは1.5ゲーム差と肉薄されているのである。あと5試合残っており、まさに気の抜けない状況が続いているのである。

「しっかり切り替えて、次はいいプレーをして助けてあげたい」という言葉どおり、鈴木がチームをプレーオフへ導いてくれることに期待したい。