FA(フリーエージェント)になっていた岩隈久志投手(34)が17日(日本時間18日)、電撃的にマリナーズに残留することが決まった。3年総額4500万ドル(約54億円)で合意していたドジャースとの契約が身体検査後に白紙になったことが判明。その直後に古巣マ軍が1年契約を結んだと発表した。一方、岩隈との契約が破談になったド軍は今後、ポスティングで米挑戦を目指す広島前田健太投手(27)を獲得する動きが加速する見込みとなった。

 岩隈のマリナーズ残留が決まったことで、ポスティング制度でメジャー移籍を目指す広島前田の動向にも大きな影響を及ぼしそうだ。

 ダイヤモンドバックスへ移籍したグリンキーに続き、大筋合意していた岩隈も消えたドジャースが、前田獲得を最優先させることは確実な情勢だ。両右腕に計2億5000万ドル(約300億円)を用意していたこともあり、資金力は群を抜く。先発ローテーションにカーショー、ウッド、アンダーソン、柳賢振と左腕が並ぶアンバランスな陣容で、右腕を絶対的に必要とする。移籍市場に残るめぼしい右腕はリーク(ジャイアンツFA)、ガヤード(レンジャーズFA)くらいで、前田にも好条件が期待できる。

 前田は西海岸の球団希望とも報じられるが、岩隈残留に成功したマ軍、クエトを獲得したジャイアンツは完全撤退。エンゼルス、パドレスなどが候補に残るが、ド軍ほどの資金力はない。現在、早穂夫人(30)ら家族と一緒にロサンゼルスに滞在中の前田は、住環境などの確認を進めているとみられ、年内にも結論を出す可能性が出てきた。