二刀流として日米で名をとどろかせる日本ハム大谷翔平投手(22)の動向が注目される中、メジャーでは二刀流選手への門戸が広がり始めている。12日(日本時間13日)から3日間にわたって行われたMLBドラフトでは、全体2位と4位で指名された2人が、二刀流スター候補として注目を集める選手だった。大谷の存在が、MLB球界を揺り動かしたのか、複数の球団で、二刀流選手を育てようという動きが出てきている。

 メジャーには今、二刀流に挑戦する選手が現れている。パドレスのベタンコートは昨季から野手兼投手に挑戦し、ドジャースのアイブナー外野手は、球団から強肩を買われ今季から投球練習を開始した。アイブナーによると「今は4~5日に1度、ブルペンで投げている。肩を作っていきながら、速球以外の球種、スライダーとチェンジアップを習得している」という。

 アイブナーとは逆に、基本は投手だが打撃力を買われ二刀流に取り組んでいるのがレッズのロレンゼン投手。「可能な限り打撃練習をしているし、外野でフライ捕球もやっている。常に、もしもの出番に備えている」と二刀流に意欲的だ。

 救援投手と打者の二刀流が実現しつつあると同時に、先発投手が代打に起用される機会も増えた。投手が打席に立つナ・リーグでは投手も打撃練習を行うが、室内ケージのみで簡単に済ませる球団と屋外のフリー打撃にも十分な時間を割いている球団がある。例えばメッツは後者の方で、それが功を奏してかジェイコブ・デグロム(28)は昨季までの通算1割8分4厘から、今季、打率を2割9分(18日現在)まで大幅に上げた。