ア・リーグはどうか。06年WBC米国代表の監督も務めた解説者のバック・マルティネス氏(68)はメジャーが今、二刀流を受け入れる流れになっていると指摘し、日本ハム大谷がもしメジャーに移籍すればア・リーグもあり得ると明言。「賢い監督なら、彼をDH兼抑え投手で起用するのでは。または毎週月曜日に先発登板させ、水曜日に投球練習の代わりにリリーフ兼DHで起用することも可能」と話す。今年ドラ1の二刀流、全体2位(レッズ)のハンター・グリーン(17)は投手で、全体4位(レイズ)のブレンダン・マッケイ(21)は一塁手で指名されているが、両球団とも二刀流選手として育成していく方針だという。二刀流選手が珍しくない時代も、遠くはない。【水次祥子】

 ◆米国の二刀流 大リーグで最も成功した二刀流選手はベーブ・ルースといわれる。ルースは主に選手生活前半のレッドソックス時代に投手として活躍。通算94勝46敗、防御率2・28の成績を残した。打者としてはレ軍最終年の1919年あたりから本格的に開花。20年にヤンキースに移ってからは主にバットで貢献し、通算3割4分2厘、714本塁打、2214打点をマークした。米国では「二刀流」というと他種目との掛け持ちを意味することも多い。ロイヤルズに所属しながら、米NFLレイダーズでもプレーしたボー・ジャクソンや、ヤンキースやブレーブスでプレーしながら、NFLファルコンズなどに所属したディオン・サンダースが有名。