米大リーグ機構(MLB)のロブ・マンフレッド・コミッショナーは28日、ワールドシリーズ(WS)開催中のヒューストンで記者会見し、27日のWS第3戦でドジャースのダルビッシュ有投手(31)を差別する言動があったアストロズのユリエスキ・グリエル内野手(33)に対し、来季開幕から5試合の出場停止処分などを科すと発表した。

 グリエル内野手はダルビッシュ投手から本塁打した後、ベンチで目尻を指で押さえて両目を細くしながらスペイン語でアジア人の蔑称を口にした。オフに感受性訓練も義務付けた同コミッショナーは「MLBはこのような言動を認めない」と語った。同内野手は球団を通じ「私の行為で傷つけられた全ての人に心から謝罪する。深く後悔している」との声明を出した。同投手は28日のWS第4戦後に「もう終わったことです」と述べた。

 コミッショナーはWSを出場停止にしなかった理由にチーム全体を罰する不公平性、本人の異議を申し立てる権利などを挙げた。また「完全な人間はいない。いろんな人がこのことから学べると思う」などと話していたダルビッシュ投手には「困難な状況で模範的な対応をした」とした。

 グリエル内野手はキューバ出身で、政府が海外移籍を解禁した2014年にプロ野球DeNAで活躍した。翌年はけがを理由に来日せず契約を解除され、16年に米国に亡命し、アストロズ入り。今季は主力としてWS進出に貢献した。