マーリンズからFAになったイチロー外野手(44)が23日、出身の愛知県豊山町で、自らが大会長を務める「イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席。去就が決まらない心境を「ペットショップで売れ残った大きな犬」と表現した。メジャーでのプレー続行を希望するが、年齢がネックになっていると推測。イチローらしい言葉で現状を子どもたちに伝えた。

<イチロー杯・最近の主なあいさつ>

 ◆いじめ(06年)「自分たちのまわりでいじめている人、いじめられる人がいたら『一緒に野球をやろう』と声を掛けて」

 ◆失敗学(08年)日米通算3000安打を達成したが「その中には6000本以上の失敗があったことを知ってほしい」

 ◆孤独(11年)「野球はいろんなことを教えてくれます。打席やマウンドや守備に就いた時、自分は独りなんだという厳しい現実がある」

 ◆決断(12年)「難しいことに立ち向かって決断すること。これができる大人にぜひなってほしい。立ち向かう姿勢があれば野球はうまくなる」

 ◆悔しさ(13年)日米通算4000安打を達成したが「今の僕を支えているのは、失敗して相手に負けて抱いた悔しさ。小さなことを毎日重ねることで、いつの日か信じられない結果を出すことができる」

 ◆我慢(14年)「今の僕が伝えられるのは我慢。大人になると、自分の思いだけでは先に進まないことがたくさんあります」

 ◆初心(15年)「毎年、みんなの目がキラキラしている。年齢を重ねていくとギラギラしてくる。今、みんなが感じているこの瞬間、ぜひ記憶しておいてほしい」

 ◆頑張る(16年)「イチローは人の2倍も3倍も頑張ってる、と言う人が結構います。でもそんなことは全くありません。人の2倍とか3倍、頑張ることはできないよね。頑張るとしたら自分の限界。その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいと思います」