米大リーグ・マリナーズのイチロー外野手(44)が本拠地セーフコフィールドで会見を行い、今季の残り試合に出場せず球団の会長付特別補佐に就任すると明かした。
<イチロー一問一答>
-ここまでの経緯
「この日が来る時は、僕は辞める時だと思っていました。その覚悟はありましたし。ただ、こういう提案がチームの方からあって、(マ軍入りが)決まってから2カ月弱くらいの時間でしたけど、この時間は僕の(メジャー)18年の中で最も幸せな2カ月であったと思います。チームがこの形を望んでいるのであれば、喜んで受けようという経緯です」
-3月の契約時には考えられなかったことだが、後押しになったことは
「まず、3月頭の時点でこのユニホームを着られることは想像してませんでした。だから、今日までの毎日が、僕にとってはギフトを贈られているようなもので。本当にハッピーでした。毎日、セーフコフィールドに来る家から球場までの道のり、帰り道、ユニホームを着ていられる時間、毎日かみしめていました。それが終わってしまうのかなということも考えましたし…。大好きでないチームメートであったら、この決断はできなかったです。だから後押しという意味では、チームメートの存在と言えると思うんです」
-引退ではない
「えっ、今、言いませんでした? あらためて決意表明するのもねぇ、おかしな感じだけど。ゲームに出られないので、これが来年の春に僕が240ポンド(体重=約108キロ)になってたら、もう終わりですよ、それは。ただ、その可能性は低いと思うので。そうでなければ、終わりでないと思います」
-試合に出られない寂しさは
「これからでしょうね。もちろん、あると思いますよ。あると思いますけど、僕は野球の、何て言ったら…研究者でいたいというか。自分が今44歳でアスリートとして、この先どうなっていくのかというのを見てみたい」
-若手から教えを請う存在は、GMがダライ・ラマのようだと
「ダライ・ラマ、って言ったの? じゃあ、なんか、僕用のけさでも用意しますか」
-来年以降も現役への扉は閉じられていない
「それがあることで、明確に、まあ遠いですけど、目標を持っていられるというのは大きなことです。これがシーズンの後半なら、それなりの時間をすごしたことになるし、時間をかけて見られるものがあると思うので。ただ、短かったですからね、時間が。それで、この判断をしてくれたことに応えたいという思いが生まれるのは当然じゃないですかね」
-試合に出ずに調整を維持する難しさは
「これからですよね。まあ、新しいチャレンジであることに間違いない」
-今抱いている印象は
「ただ、キャンプをやらなくても、ゲームできちゃう…。申し訳ないですけど、そういうことも分かったりはしているので、できないことじゃない。それも研究材料のひとつになるんじゃないですか」
-昨日の試合に臨む心境は
「その事実は理解しながらやってましたけど、周りから見た時に、『何か違うな』と思われる状態は一番僕がしたくない状態なので。どんな感情のときも、それを見ている人には悟られない、というのをモットーにやってきましたから」
-監督とのパイプ役
「まったく分かんないです。でも、ロッカーは選手のロッカーだし。だから、僕はあくまでも選手側にいないといけないと思ってますけどね」
-いつごろから提案された
「ここで説明する時間ないなあ」
-今後は、イチロー選手と表記してもいい
「本当だよね…。どうします? これって、僕が決めていいもの? 誰が決めるものなんですか? イチロー、でいいんじゃない? それは変わらないからねえ。そんな、裏じゃ、みんな呼び捨てしてんだからいいよ。そこはちょっと皆さんのセンスに任せないと」
-遠征は
「行きますよ。はい」
-最後の打席の思い
「そりゃ、いい結果のイメージはするし、それができたら最高だよな、と思うけど、なかなかそうはいかない、という現実もあった打席でした」
-どんな自分がいたのか
「ま、次の機会にしようか」