マリナーズのイチロー会長付特別補佐(44)がタイガースとのダブルヘッダーで初めてコーチとしてベンチに入った。

 規定により今季は試合中にベンチ入りできないが、スコット・サービス監督が長女の卒業式に出席するため不在で首脳陣枠が空き、1日限定のコーチ起用となった。

 2試合とも公式ラインアップ・カード(先発メンバー表)に選手名を書き込んだ。「1試合目に負けたから、2試合目は筆記体にしました。(ペンの)色も変えて」と独自の験担ぎも決めた。

 会長付特別補佐に就いた3日以降は試合はテレビ観戦だった。指導者としてのベンチ入りに「結構、やらなきゃいけないことがある。選手交代を全部書かなきゃいけない」と振り返った。

 2試合目には相手監督がストライクかボールかの判定について主審に抗議して退場処分を科された。仮にマリナーズの監督代行が退場させられた場合は、イチロー特別補佐が「監督代行の代行」を務めることになっていたという。「それだけは勘弁してほしい。その緊張感はあった」と苦笑いで話した。