大谷、剛腕に脱帽-。エンゼルス大谷翔平投手(23)が、11年サイ・ヤング賞右腕、アストロズのジャスティン・バーランダー投手(35)と初対戦。4打数無安打3三振と、格の違いを見せつけられた。メジャー最高右腕に屈した一方「ものすごく勉強になった」と、今後、二刀流をレベルアップさせる意気込みを口にした。

 手も足も出なかった。大谷のバットが、何度となく、空を切った。メジャー最高右腕バーランダーとの初対決。第1打席に内角低めのスライダーで空振り三振に仕留められると、第2打席は外角へのチェンジアップに対し、当てるだけの二ゴロ。第3、第4打席は、ともに外角高めの速球で連続三振を喫した。

 それでも、試合後の大谷は、すがすがしいまでの表情で剛腕との対決を振り返った。「いくら払ってでも経験する価値のあることなのかなと…。それくらい素晴らしい投手だという感じはしました」。強がりではない。太平洋を越えてきた最大の理由、ずっと求めていたものが、この肌感覚だった。4打席、全21球。格の違いを実感しながら、すべてを満喫した。

 全打席とも、2球で2ストライクに追い込まれた。内角を意識させられ、つり球で誘われた。入り球、カウント球、そして決め球。1球ごとに意図があり、ムダのない投球を、打席で体感した。「こういうチャンスがないと気付かない。ものすごく勉強になりました」。打者大谷としてだけでなく、投手大谷としても、貴重な財産だった。

 昨年12月の入団会見で、大谷は言った。「僕はまだまだ完成された選手ではないですから」。開幕後、鮮烈デビューを飾った一方、目先の結果だけを求めてきたわけではない。「ここまで品のある球は経験したことがない。そこをクリアしていく楽しみ、そこが今後の自分にとって大事。何回も対戦する機会があると思うので、超えていけるように練習したいです」。3三振を喫しながら、これほど満足感をにじませる選手は、大谷以外にいない。【四竈衛】