カブスのマドン監督が、1イニングで投手2人を外野に移し、再びマウンドに戻す珍采配を見せた。

 カブスは1点ビハインドの8回、3番手として変則右腕シーシェクを投入。先頭の8番アルシア(日本ハム・アルシアの弟)にショートへの内野安打を打たれると、ブルワーズは9番投手の打席で左の強打者テムズを代打に起用した。すると、スタメン表を手にしたマドン監督がベンチから現れ、球審に選手交代を申告。左対策として左腕ダンシングがマウンドに上がったが、入ったばかりのシーシェクはサングラスと野手用グラブを身に付け、左翼守備に付いた。

 これが功を奏し、ダンシングはテムズを空振り三振。しかし、次は右打ちの1番ケーン。そこで、今度はダンシングとシーシェクがポジションをスイッチし、二ゴロに打ち取った。だが、次の好打者イエリチは再び左打者。そこで、左翼を守っていたダンシングが再びマウンドへ。シーシェクはベンチに下がり、この日ベンチスタートだった正捕手コントレラスが左翼に付いた。

 イエリチは左飛に倒れ、結果的に采配は的中。イニングの始めに左翼を守っていたシュワバーを含めると、1イニングで計4選手が同ポジションを守った形となった。なお、外野を守った2投手はともに投手以外の位置に付いたのは初めてだった。

 マドン監督は「(直前の攻撃で)シュワバーが最後の打者になっていたり、相手打線との兼ね合いなどもあったりしてうまくいった。いつも使えるわけじゃないけど、今日は成功したね」とコメント。ケーンの打席で左翼を守った左腕ダンシングは「正直、少し怖かったよ。ライトに打ってくれって必死に祈っていた。今ままでやったことなかったし、楽しかったよ」と振り返った。