「ライズボール」でメジャーの打者陣をねじ伏せた。マリナーズ菊池雄星投手(27)は3回を投げ2安打2失点。結果は敗戦投手でも、内容は価値があった。昨季ア・リーグの最多安打(192本)打者、メリーフィールドとの対戦で2打数無安打に抑えた。球威のある直球で押し込み、ファウルでカウントを稼いだ。

印象に残った球種を「直球」と即答したメリーフィールドから「生きた球。ライズして(浮いて)、カットもする。右打者には内に食い込んで、左打者には外へ逃げる。かなり良いね」とべた褒めされた。

独特なフォームも相手を惑わせた。右足を上げて一度止まり、再び動きだすモーションをメリーフィールドは「ちょっと、とらえにくいかな。腕が引っ張られていく感じで、腕の振りも速い」と振り返った。

また、先頭打者のハミルトンを高めの直球で空振り三振に仕留めた。キャンプ中、実戦形式の投球練習でも取り組んだ高めの球で空振りを奪った。この日の最速は94マイル(約151キロ)も、ハミルトンは「打席に入ると少し速く感じるし、ライズする(浮き上がる)」と、メリーフィールドと同じように証言した。

前回オープン戦初登板の時は、10年のナ・リーグMVP打者、レッズのボットからカーブを「カーショーみたいだ」と絶賛され、この日は直球の質の高さを証明した。次回登板は7日(同8日)レッズ戦の予定。菊池の評価も、投げる度にライズしている。