マリナーズ菊池雄星投手(27)が3月31日(日本時間4月1日)、チーム同行で先発ローテーションを守ると誓った。

前日、がんで闘病していた父雄治さん(享年59)の死去を公表。登板日を変更せず、次回は予定通り4月4日(同5日)のホワイトソックス戦となる。「ケガをせずに、しっかりローテーションを守り続けるというのは、今年の一番のテーマ」と気持ちを新たにした。

決意の表れだった。米大リーグでは家族の訃報の際、忌引リストに入れば3~7試合までチームを離れ、帰省を許可される。サービス監督は「昨日、彼と話した。彼はチームに同行したいと決断した」と明かした。日本へ一時帰国する選択肢を捨て、シーズンでの戦いに集中する。

訃報の前日、メジャー初勝利を届けることはかなわなかった。それでも「監督、コーチ、選手、ファンの皆さんにピッチングを認めてもらう、知ってもらうという方が今の僕には必要なこと。それに徹する」と冷静に話した。野球に専念することは、雄治さんの希望でもあった。「チームが勝てるように全力を尽くすということにしばらくはフォーカスした方が良い」。夢だったメジャーで活躍し、天国の父へ勇姿を届ける。(シアトル=斎藤庸裕)