【ボルティモア(米メリーランド州)10日(日本時間11日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(24)がオリオールズ戦に「3番指名打者(DH)」で出場し、5打数無安打2三振に終わった。

7回表に1時間49分の降雨中断を挟んだ一戦をチームは8得点で快勝したが、大谷は好機で2度凡退するなど、完全に抑え込まれた。

オ軍バッテリーには秘策があった。捕手セベリーノは「僕らは大谷に対してどう攻めるか、アイデアがあった。ミーティングをして、どこが弱点なのか、投手にそこを投げるようにリードした」。ちゅうちょすることなく大谷の内角高めを攻め、懐をえぐった上で外角低めにボールを集めた。

「内角にゾーンを広げさせて、外角低めで勝負する。体を起こして、低めを投げればゴロになる。踏み込まれて(外角球を)ホームランにされたくなかった」

象徴的だったのは5回1死二、三塁の場面。1球目は内角高めに大きく外れた。2球目も内角で、3球目に外角寄りの低め直球で遊ゴロに打ち取った。昨年、大谷へ内角攻めはあったものの、内角高めへの攻めは比較的少なかった。逆にオ軍バッテリーはそこを突いた。「彼はすごいパワーがあるからね」(セベリーノ)。強打者と認めるからこそ、内角高めを攻めた。

打者復帰後の初本塁打はお預けとなり、11日以降に持ち越しとなった。敵地オリオールパークから約180メートル離れた場所には、ベーブ・ルースの生家が博物館となって残されている。オリオールズ戦の遠征は初めての大谷。元祖二刀流の生誕地でオ軍バッテリーへリベンジなるか、注目だ。

◆内角高めへの攻め 大谷が今季内角高めに受けた投球は全81球中12球で、その割合は14・8%。昨季は全1455球中172球で11・8%だったため、このゾーンへの攻めは昨季より増加した。昨季内側全体への投球は547球(37・6%)外が656球(45・1%)だった。