【ミネアポリス(米ミネソタ州)14日(日本時間15日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(24)が打者復帰後初の3安打で、本格的に波に乗ってきた。

4回のメジャー通算100安打目となる中前打を皮切りに、4打数3安打1打点。3試合連続のマルチ安打&打点をマークした。一方で6回に走塁ミスで逸機。8回には2死二塁の二塁走者として中前打で一気に同点のホームを狙うも、本塁でタッチアウトとなった。打って走って、反省もありの「大谷劇場」となった。

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2戦連続アーチはならずも、大谷の「SHOW TIME」は止まらなかった。4回、痛烈なライナーの中前打。節目のメジャー通算100安打をマークした。相手バッテリーの厳しい攻めが続く中、「ボールはしっかり見送れてますし、浅いカウントでしっかり変化球も打てているので、悪くはない」。前日に今季1号を放ち、この日は3安打。3試合連続のマルチ安打で打率を3割2分1厘とした。

バットで魅せた一方で、実戦離れによる課題が浮き彫りとなった。6回1死。シモンズの右前打で一塁から二塁を回ったところでいったん止まり、右翼手の動きを見て再びスタートを切った。「何とか1死一、三塁でプホルス選手につなぎたかった」。積極的に三塁を陥れるつもりだったが、あえなく憤死した。

打者復帰前、マイナーの試合には出場せず、本拠地での実戦形式の練習のみで調整。守備につく選手がいなかったため、走塁練習には限界があった。「実際にボールがどういう感じで捕球されているかというのも分からないので、バッティングよりも、実戦の(中で改善する)要素は大きい」とブランクを自覚する。

8回にも二塁走者でグッドウィンの中前打でホームを狙い、際どいタイミングもタッチアウト。一瞬、中堅の方を見ていたが「僕の中では全力で走っているので、見たかどうかも分からないですけど、あとは(二塁での)リードだったり、第2リードだったり(が課題)かなと思います」と振り返った。

とはいえ、大谷の積極性に首脳陣の評価は高い。ギャレゴ三塁ベースコーチは「ベースの回り方もいい。彼はよく考えて、質問もするし、周りもよく見ている」と信頼を寄せる。大谷も「基本的には次の塁をしっかり狙いにいくっていうのが大事」と、貪欲な姿勢を崩さない。ミスを糧とし、すぐに挽回してみせる-。その表情には、強い決意がにじんでいた。