【アナハイム(米カリフォルニア州)26日(日本時間27日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(24)が、華麗なさばきで同点犠飛を放ち、逆転勝利に貢献した。レンジャーズ戦に「3番DH」で出場。1点差に迫った7回1死二、三塁、フルカウントから右腕ダウディーの低めカーブをすくい上げ、中堅まで運んだ。三塁走者の生還を見届けると、かしわ手を打って喜び、ベンチでは祝福のハイタッチで迎えられた。

04年途中から約4年間、元マリナーズのイチロー氏と同僚だったエ軍リード打撃コーチは「ゾーンより低い球だったが、素晴らしい打席だった」と絶賛。大谷とイチロー氏の比較については「全く違うタイプの選手」とした上で、ハンド・アイ・コーディネーション(手と目の連動性)は「両者とも良い」と類似点を挙げた。しっかり目付をしながらバットコントロールでさばく-。大谷のこの日の犠飛は、その言葉通りの一打。見逃せばボール球に、目いっぱい手を伸ばし、右手一本でバットに乗せ、イチロー氏のようなフォロースルーから生まれた。

3打数無安打で出塁記録は11試合連続でストップ。それでも、同コーチは「チームにとって本当に大きかった」と逆転勝利につなげた一打をたたえた。ここまで大谷の打率は2割2分6厘だが、「良くなってきている。昨年の翔平の状態に近づいているし、打ち始めると思う」と期待。その背後から、大谷は「全然だめだよ~」とおどけたが、表情は明るかった。

27日からは敵地オークランドでア・リーグ西地区2位のアスレチックスと3連戦。30日からはマリナーズ戦を控え、菊池とのメジャー初対戦も実現しそうだ。状態を上げ、弾みをつけて乗り込む。