大谷翔平投手(24)が所属するエンゼルスに悲報が走った。先発左腕のタイラー・スカッグス投手が1日(日本時間2日)、遠征先テキサス州のホテルで急死した。球団が発表した。27歳だった。死因などの詳細は公表されておらず、同日にアーリントンで予定されていたレンジャーズ戦は中止となった。

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仲良しだった同僚の大谷と水原通訳の気持ちを思うと、いたたまれない。スカッグスは生前、クラブハウスで教えてもらった日本語の数字を口ずさむなど、3人の仲むつまじい様子が印象的だった。それだけに、突然の訃報は衝撃だった。

逆境に打ち勝ち、夢に向かう旅路の途中だった。「サイ・ヤング賞をとって、ワールドシリーズで勝つ」ことを夢見ていた。その強い気持ちがスカッグスを前に進ませた。最大の困難は「トミー・ジョン手術から復帰までに、ほぼ2年かかったこと」だった。14年8月に左肘内側側副靱帯(じんたい)の再建手術を行い、16年7月下旬に復帰。その間、「皆が僕のことを信じてくれていた。『大丈夫だ。信じているから。またメジャーの投手になるよ』ってね」と、多くの励ましが支えになったという。

自身も、同僚をしっかりサポートしていた。先月26日、同僚ラステラ内野手の球宴選出へ、ファン投票を大谷と水原通訳、3人で一緒に呼びかけた。最後のマウンドとなってしまった29日アスレチックス戦。先発し4回1/3を2失点で黒星を喫しても、気丈にメディア対応していた姿が印象深い。朗らかで、胸を張り、エ軍投手陣のリーダー格として自信に満ちた雰囲気があった。常に堂々と-。メジャーリーガーたる、その姿を忘れることはない。【MLB担当=斎藤庸裕】