エンゼルスが5年連続でプレーオフ進出を逃した。10日(日本時間11日)のインディアンス戦、5回の守備中にア・リーグ西地区2位のアスレチックスがアストロズに勝ち、エ軍のワイルドカード獲得の可能性が消滅。

右肘のリハビリを進める大谷が打者専念となった今季、課題の投手力が敗因につながった。

<1>先発の駒不足 昨オフの補強選手でアスレチックスからケーヒル、レッズからハービーを獲得。ケーヒルは今季開幕投手、ハービーは2戦目に起用され期待が高かったが、大誤算だった。ケーヒルは不振で6月からリリーフに配置転換。ここまで3勝9敗、防御率6・31と奮わず。ハービーは故障もあり3勝5敗、防御率7・09で、7月19日にメジャー40人枠から外れ、事実上の戦力外となった。

<2>セットアッパーの不調 苦しい台所事情の中、7月中旬に貯金を5まで増やした。トラウト、プホルスらを擁する打線は強力。先制攻撃で逃げ切る形が主な勝ちパターンだったが、先発投手の駒不足も影響し、リリーフ陣が徐々に疲弊。7回、8回を任されていた若手のバトリーが7月以降に状態を落とし、特に7月下旬から8月にかけて打ち込まれた。時期を同じくして、チームも失速した。

<3>ターニングポイント 7月25日のオリオールズ戦、延長16回の末に敗れた。大谷は自己最多の8打席に立ちながら、5打数無安打。15回にサヨナラの好機を逸し、競り負けた。東地区最下位のオリオールズ4連戦の初戦で痛恨の敗戦。続く中地区最下位のタイガース3連戦も負け越し、貯金を期待できたはずの本拠地7連戦で2勝5敗。その後の8連敗で一気にワイルドカード争いから後退した。

今春キャンプ前、「ポストシーズン、ワールドシリーズに出て優勝したい」と話していた大谷の目標はかなわなかった。雪辱を期す来季、大谷の二刀流復活とともに、まずは投手力強化が不可欠となる。【MLB担当=斎藤庸裕】