西武から海外FA(フリーエージェント)権を行使した秋山翔吾外野手(31)の移籍先として、レッズが最有力候補に浮上したことが分かった。複数の米球界関係者によると、カブス、ダイヤモンドバックス、レイズを加えた4球団が争奪戦を繰り広げる中、レッズは2年以上の好条件を提示するなど、強烈にプッシュ。早ければ、年内にもレッズ入りが決まる可能性が高まった。

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解説 1995年に野茂英雄が海を渡って25年が経過し、米球界の事情も着実に変化した。

当時は、ドジャース、マリナーズなど、日本とのアクセスが便利な西海岸の主要球団が日本人選手市場の中心だった。ところが、ヤンキース、レッドソックスなど東海岸の強豪が日本人市場に注力したこともあり、アジアへの興味は拡大。ほぼ全球団がスカウト網を広げることになった。

“敷居”が徐々に下がり、選手の移籍はボーダーレス化が進んだ。中堅選手の極端な年俸高騰を嫌うメジャーのトレンドも加わり、今オフは日本はじめアジアの選手が多数、潮流に乗ってメジャーを目指した。同時に、オリックス入りを決めたメジャー通算282発のアダム・ジョーンズを筆頭に、本場の実力者たちも潮流に乗り、続々と日本行きを決断した。

秋山にすれば、過去に日本人野手が在籍していない土地柄でもあり、未知数な部分は多いかもしれない。だが、デービッド・ベル監督はマリナーズ時代、佐々木、イチローらの同僚。日本人の気質、野球観への理解度も深い。本命不在と言われるナ・リーグ中地区だけに、不動の「1番中堅」として期待できる秋山の加入がレッズに劇的な化学変化をもたらす可能性はありそうだ。【MLB担当=四竈衛】