レッズ秋山翔吾外野手が32歳の誕生日を迎えた16日(日本時間17日)、電話取材に応じ、率直な心境を語った。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現在は米ロサンゼルス近郊でトレーニングを継続。延期されているメジャーデビュー戦を待ち望む一方で、「若々しくいたい」と、32歳の思いを明かした。【取材・構成=四竈衛】

   ◇   ◇   ◇

本来であれば、秋山は本拠地シンシナティでジャイアンツを迎え撃っていた。3連戦2戦目のナイター。家族は球場に向かう前に祝ってくれていたのだろうか。「今回の誕生日は本拠地で迎えるんだな、どういう雰囲気になるんだろうと、結構期待してたんですよね」。

西武時代は、応援団からハッピーバースデーの演奏で祝福された。2015年は楽天戦(大宮)で3試合連続の猛打賞と活躍。お立ち台に上がった。誕生日には常に野球があったが今年は球場ではなく、通訳のルーク篠田氏のロサンゼルスの自宅で同氏と2人きり。「来年以降は応援される中での誕生日ってすごくいいな、と改めて感じられるんじゃないかと思います」。

32歳。選手として脂が乗る時期だがベテランの感覚はない。「若々しくいたいっすね。できれば長く野球をやりたい。今年が、そのチャレンジの1年目。これから1年1年、気持ちとしては若い選手にも、どの選手にも負けたくない思いはあります」。西武では中心選手も、メジャーでは新人。キャンプ中は幾度となく「レギュラーを取る」「競争」と口にした。気持ちをリセットし、より長くプレーするための再出発地がメジャーの舞台だった。

依然として開幕日は不透明。それでも、マイナス思考はない。「これ以上の大変な経験はないんじゃないかと思う。この経験を乗り越えたら、この後、何かトラブルがあった時に『あの時より』と思えるはず。今後、プラスになるかもしれないと思っています」。

トレーニングの合間には、ルーク氏とゴブレットゴブラーズ、クアートなどのボードゲームを楽しみリフレッシュ。気分転換も図りながら体調を整え、来るべき時に備えている。32歳の新人は未経験の苦境でも、しっかりと前を見つめていた。