【アナハイム(米カリフォルニア州)5日(日本時間6日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、674日ぶりの実戦マウンドに立つ。明日7日(同8日)の紅白戦登板を球団が明かした。3イニングの予定で、実戦登板は18年9月2日のアストロズ戦以来で、同年10月に受けた右肘内側側副靱帯(じんたい)の再建術(トミー・ジョン手術)以降では初。二刀流完全復活へ、大きな1歩を踏み出す。

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過去から脱却した大谷が、マウンドに上がる。キャンプ再開後、チーム初の紅白戦に登板することが明らかになった。3イニング、45球前後が目安となる見込み。前日4日に「実戦でまた、レベルの違うところまでいく」と話したように、また1段階、ギアを上げる。実戦登板は674日ぶりで、右肘の手術後では初。新たな姿を披露する機会がいよいよやってきた。

メジャーで大谷といえば「100マイル(約161キロ)を投げる」が代名詞でもあった。手術前の状態に戻るのか-。注目されるポイントの1つだが、大谷は「手術前の感覚はあんまりよく覚えていない。比較は難しい」と首をかしげる。18年シーズンの映像を見ることもあるが「メカニック(投球フォームや動作)はあまり見ない。やりたいことがまた違う」。過去に戻すつもりは一切ない。常に新しく、バージョンアップした形を追い求めている。

注目されるスピードや結果は二の次。ここまで、右腕のテークバックの際に肘に負担のかからない新フォームに取り組んできた。「よりシンプルにしたい。それはずっと思っていた。試合のレベルで力んだりすると、できなくなったりする」。60試合の短縮シーズンだからこそ、ケガの再発で離脱だけは避けたい。まずは感覚の確認作業を行い、約3週間後のメジャー復帰登板を見据えている。

キャンプ再開3日目、7月5日は自身の誕生日で、練習前に同僚から拍手で祝福を受けた。投打で調整を行い、実戦形式の打撃練習では7打席で28球中、安打性の打球3本。打者でも実戦モードに入ってきた。まずは久々のマウンドで、新たな姿を披露する。