ツインズに移籍した前田健太投手(32)が26日、初登板となるホワイトソックス戦で5回を4安打2失点と安定した投球を披露し、新天地デビューを白星で飾った。初回から味方の大量援護をもらい、相手中軸に対しても強気に攻めの投球。先発ローテの頼れる存在として、新たな同僚や監督に強い印象を与えた。

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キャンプイン目前だった2月の電撃トレードから5カ月半。ようやく新天地のマウンドに上がった前田は、緊張していた。「初めてのチームというのもありましたし、正直(開幕延期で)緊張感のない日々が長すぎて」。試合後のオンライン会見で、今季の開幕の難しさを明かした。

それでも味方打線から大量援護をもらい「初回からしっかり飛ばして0点に抑えていこうということは意識していました」と強気に攻めた。相手の4番グランダルは、ドジャース時代にバッテリーを組んだ元同僚。「彼も僕のチェンジアップが頭にあったと思うので、その辺はちょっとやりにくさはあった」と振り返ったが、2回にはそのチェンジアップで空振り三振を奪った。次の5番エンカーナシオンには、速球のみで3球三振。バルデリ監督は「ビューティフルな先発登板だった。完璧なほどにシャープで、速球の制球が見事だった」と大絶賛した。

新天地というだけでなく、新型コロナウイルス感染拡大の影響で今季は慣れないことばかりだが、困難も楽しみに変えている。遠征先では外食禁止のため「いっぱい(炊事)グッズを持って来ました。小っちゃい鍋みたいのを持ってきて、自分でそばゆでたりとか、炊飯器持ってきて米を炊いたりとか」と笑顔。幸先良いスタートを切った今季には「投げる試合も例年より少なくなってくるので、1試合1試合大事に、チームの勝利に貢献できるよう」と活躍を誓った。