レッドソックス初のドラフト選手であり、悲運の強打者として知られたトニー・コニグリアロ氏の弟であるビリー・コニグリアロ氏が、マサチューセッツ州の自宅で亡くなったことが分かった。73歳。死因は明らかにされていない。

ビリー氏は、アマチュアドラフトが開始された1965年に全体5位でレッドソックスに指名され、69年にデビュー。同球団に3年間所属し、70年には114試合出場で打率2割7分1厘、18本塁打、58打点を記録した。ブルワーズに所属した72年途中に引退したが、73年に復帰しアスレチックスでプレー。ワールドシリーズにも出場し、優勝メンバーの1人となった。

レッドソックスでの最初の2年間は、兄のトニーと同僚だった。トニー氏はデビューの翌年にア・リーグ本塁打王に輝いた才能の持ち主で、当時の球団を代表するスター選手。頬骨骨折など数多くのケガに苦しみ、左目の視力を失うという不運に見舞われながら、69年に20本塁打、70年には36本塁打116打点という活躍を見せた。引退後はスポーツキャスターとして活動していたが、脳卒中を起こして昏睡状態となり、1990年に45歳で亡くなった。

献身的に兄を看病してきたビリー氏は「トニー・コニグリアロ賞」の選考委員として長年貢献。同賞はレッドソックスが年に一度、難病や逆境を克服して活躍したメジャー選手に授与するもので1990年に制定された。(AP)