【アナハイム(米カリフォルニア州)19日(日本時間20日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、本塁打数で早くもプロ最多タイに並んだ。タイガース戦の3回、左越えに22号2ラン。前日に今季初の1試合2発をマークし、登板を1日挟んで5戦5発で、観客動員100%となって以降の3試合では1勝と3発。本塁打数でメジャートップのブルージェイズ・ゲレロと1本差をキープし、4打数1安打2打点でチームの3連勝に貢献した。

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91試合を残し、自己最多の本塁打数に到達した。大谷は3回1死三塁の第2打席、右腕ペラルタの95・3マイル(約153キロ)の外角直球を確実にミートした。角度よく上がった打球は大歓声とともに左翼スタンドへ。プロ4年目、メジャー1年目に並ぶ22号2ランをたたき込んだ。逆方向への強烈な打球にマドン監督は「ものすごく力強くないとできない。両翼のラインからラインまで、(相手にとって)彼は危険だね」と称賛。勢いが止まらない。

最近5戦5発と再び量産態勢に入った。17日のタイガース戦で投打のリアル二刀流で出場して3勝目を挙げ、18日には今季初の1試合2発をマークした。さらにこの日も続き、2戦連発。これまでリアル二刀流の翌日から2日間の打撃成績は31打数6安打で打率1割9分4厘、1本塁打2打点だったが、観客動員100%となった17日以降は10打数3安打で打率3割、3本塁打5打点。数字で明らかな違いが表れた。

コロナ禍で制限されていた頃に比べ、観客数は2~3倍。球場のファンのかけ声にも勢いが出てきた。以前はまばらだった大谷への「MVPコール」は、各打席で合唱されるほどになった。この日、6回2死二塁から敬遠されると、一斉にブーイングが起こった。17日の登板後、「打席でもマウンドでも、より集中できると思うので、入ってもらってすごいうれしい」と感謝していた大谷。ファンの後押しが力となっている。

自己最多タイの22号は、今季では珍しい左方向への1発。マドン監督は「見たのは3度目だね。デービッド・オルティスとバーニー・ウィリアムズがそういう打撃をしていたが、今夜また見た」と、名だたる強打者たちと重ね合わせた。チームの3連勝に貢献した大谷の頼もしさは、増す一方だ。

◆オルティスとウィリアムズ オルティスはツインズでメジャーデビューし、03年から16年までレッドソックスでプレー。通算541本塁打で、逆方向への長打力も特徴的な強打者だった。ウィリアムズは常勝ヤンキース一筋で、95年から8年連続で打率3割以上をマーク。広角に打ち分けるスイッチヒッターで、通算287本塁打。両者ともに背番号「34」、「51」が永久欠番となっている。

◆STATCASTの大谷の打撃データは、ほとんどの項目が両リーグでも上位に位置する。主なデータは次の通り。

Barls/PA%(1打席平均バレル率) 1位(14・6%)

xSLG%(長打率の期待値) 1位(56・3%)

Max Exit Velocity(最高打球速度) 1位(119マイル=約191・5キロ)

Avg Exit Vellocity(平均打球速度) 4位(94マイル=約151キロ)

HardHit%(強打率) 3位(57・1%)

xwOBA(出塁率の期待値) 上位1%以内(4割3分1厘)