エンゼルス大谷翔平投手(26)の球宴スタメン出場が正式に決まった。MLBは1日、オールスター戦(13日=日本時間14日・コロラド州デンバー)の先発野手を選ぶファン投票の最終結果を発表し、大谷はア・リーグのDH部門で得票率63%を獲得。メジャー4年目にして初選出を果たした。次なる注目は二刀流で出ることは可能なのか? になる。

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本格的な二刀流シーズンでMLBを席巻し、他競技のビッグスターまでもが注目する大谷の人気度の高さが、ファン投票でも示された。2位に大差を付け1次投票を通過し、3選手による最終投票でも6割強を集め選出。球団を通じ「皆さまを楽しませるようなプレーができるように精いっぱい頑張りたい」と抱負を口にした。日本選手のファン投票選出はイチロー(マリナーズ)松井秀喜(ヤンキース)福留孝介(カブス)に続き4人目、DHでは初となった。

今季は登板前後も打者で出場し、登板日でもDHを解除して打席に立つ“リアル二刀流”、さらには守備でも出場するなど、日米のMLBファンを沸かせた。打撃ではメジャー最多28本塁打を放ち、投手では13試合で3勝1敗、チームトップの防御率3・60を記録。オールスター選出はもはや既定路線だ。

残された疑問は、果たして球宴でマウンドに上がるかどうか。米メディアからも登板を望む声が上がる中、CBSスポーツ電子版は「MLBはルールを変えてでも大谷を投打で出場させるべき」と主張。DHで出場した選手が他のポジションに就く場合は、公式戦と同様にDHが解除されるが「MLBはそのようなルールをオールスターでは撤廃するべき。ワールドシリーズの本拠地開幕権を争ったのは過去のこと。誰も気にしない」とし「この男の才能を見せつけるために、できるだけやりやすい方法に変えるべきだ」と、ルール変更を求めた。

前日にはホームランダービーに出場するだけに、身体への負担も懸念される。だが、マドン監督は「投打での出場は大賛成。投げてもおそらく1イニングだけだし、打席も1度だけだと思うから、どちらもすればいい」と二刀流での出場を後押し。「ファンは見たがっているし、見るべきだ。ベースボールにとっていいこと」と、球界全体にも良い影響を与えるとコメントした。

 

▽大谷が球宴で二刀流出場するとしたら

<1>ルール変更なし 大谷は9番DHなど、まわってくるのが遅い打順でスタメン出場。1打席目で本塁打を放ち、2度目の打席がまわってくる前にDHを解除して投手として1イニング登板。その後の打順には投手が入り、打席がまわるたびに代打で打者が立つ。

<2>ルール変更なし 大谷は4番DHなどでスタメン出場。4打席連続本塁打を放った後、DHを解除して救援登板。その時点で残り打席は少ないとみられ、他の投手や野手の出場機会を奪うが、無理は強いなくて済む。

<3>ルール変更あり 1番投手として先発出場。1打席、1イニングを1本塁打3奪三振で終えた時点でDHと投手を別の選手で交代可能に。

<4>ルール変更あり 2番DHとしてスタメン。1~2打席立って特大アーチを放った後、いったんベンチへ。その後、救援投手として再出場し100マイル連発。自己最速165キロ超えも。