米大リーグのオールスターに史上初めて投打「二刀流」で出場したエンゼルス大谷翔平(27)の地元岩手県も熱狂した。

14日、大谷が生まれ育った岩手県奥州市では、市役所内に設置された大型テレビの前で観戦する市民もいた。先発投手としては160キロ超の速球などで3者凡退に封じ、「1番DH」の打者としても2打数無安打ではあったが、前日のホームランダービーも含めて存在感。同市の都市プロモーション課担当者は「我々にとって地元のヒーローだったのですが、想像をはるかに超えてしまって遠い存在になってしまった感じです。職員では、冗談を含めて『本当に奥州市の人?』って言い合ったりもしています。本当にすごい」と驚きを隠せない様子だ。

奥州市ではエンゼルス入団決定後、18年に「大谷翔平選手ふるさと応援団」を結成。地元企業の協力も含め、町全体で応援を続けている。市職員も背番号にちなんで、毎月17日を「大谷応援デー」としてエンゼルスの赤いTシャツを着て業務を行っている。昨年からは「コロナに負けるな! 二刀流応援デー」に名称変更。二刀流が復活した今季は投手、打者それぞれの「大谷メーター」も市庁舎内に設置し、活躍を伝えている。

母校の花巻東高では、3年生スポーツクラスの生徒ら約50人がテレビ中継を観戦し、先輩にエールを送った。コロナ感染予防対策として声が出せなかったが、紫と黄色のスティックバルーンを使って音で応援。硬式野球部の生徒は全国高校野球選手権岩手大会初戦(15日)に向けた練習のため観戦は出来なかったが、佐々木洋監督(45)は菊池雄星投手(30)を含めた2人同時選出に「最高峰の舞台に花巻東高出身の選手が選ばれたことはとても誇り」と感謝した。

花巻東では自校の甲子園出場以外でテレビ観戦を行うのは初めて。女子硬式野球部3年の河野瑠生さん(17)も「岩手からすごい先輩が出てうれしい。プレーを見てモチベーションが上がった」と興奮。校舎には「祝出場オールスターゲーム」の垂れ幕も掲げられた。