【デンバー(米コロラド州)13日(日本時間14日)=四竈衛】エンゼルス大谷翔平投手(27)が「1番DH」でスタメン出場し、投手として1回無安打無失点と好投。日本人としては19年の田中将大(ヤンキース)以来、2人目の勝利投手となった。打者としては2打数無安打に終わったものの、全投手中、最速の100・2マイル(約161・3キロ)をマーク。前日のホームランダービーに続き、全米中に強烈なインパクトを残した。

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打者としては快音を残せなかったものの、先発投手として上がったマウンドでは、屈強な強打者のバットから快音を封じた。1回、1番タティスを左飛、2番マンシーを二ゴロ。3番アレナドには最速100・2マイル(約161・3キロ)を計測し(ファウル)、最後は遊ゴロに仕留めた。

「普段は初回から三振ばかり狙うということはないんですけど、今日はもう全部取りに行くつもりでいったので…まあ、結果、取れなかったですけど(笑い)。いいところに投げてもしっかりコンタクトする率も高いですし、さすがだなと思う打者が多いなとは思います」。14球で役目を終えると、捕手ペレスと笑顔でグータッチ。4万9184人まで膨れあがった超満員の観衆から大声援の出迎えを受けた。

前夜のホームランダービーでは、初戦敗退したものの、再延長までもつれ込む熱戦を演じた。試合前には「眠い」とこぼすなど、疲労は隠せなかった。イチロー以来となる「1番」で出場した打撃では、二ゴロと一ゴロ。それでも、それぞれの光景が、大谷の目には強烈に焼き付いていた。「球場入りから、試合から…、ホームランダービーもそうですし、こういう雰囲気というのはなかなかシーズン中もないと思うので。本当に野球が好きな人たちがこれだけ集まってくれて。すごくいい雰囲気だったなと思います」。

DHを解除せず、投手として交代後も打席に入る「特例」が認められるなど、周囲からの期待の高さも再認識した。「ありがたいですね。ルール自体を変えてもらって、今日も2打席立たせてもらって、そういう柔軟性だったり、なかなか伝統あるこういう場所では難しいと思うんですけど、すごく感謝しています」。 史上初めて「二刀流」として臨んだ夢舞台。ホームランダービーで150メートル超えのアーチをかけ、マウンドからは160キロ以上の速球を投げ込んだ。

「まあ、初めての経験なので……。また来られるように、というか。そう思わせてくれる素晴らしい経験だったなと思います」。

交代後、ホッとした表情の大谷の頬が、少し紅潮していたのは、おそらく気のせいではない。

◆勝ち投手の決定 大谷は先発1回だけで降板も勝利投手になった。野球規則9・17(e)に「オールスターゲームのような場合は、勝利チームが試合の最後までリードを保った時、そのリードを奪った当時投球していた投手(先発または救援)に与える」(要約)とある。

 

▽ロイヤルズのペレス捕手「オオタニとバッテリーを組み、球を受けられてうれしかった。また球宴で受けるチャンスがあることを願っている。登板準備、ウオームアップはリラックスしていた感じだけど、マウンドに上がると、いきなり99マイル(約159キロ)を投げる。すごい投手だ」

▽カージナルスのアレナド内野手(1回、大谷との対戦で161キロ)「彼にとって僕が最後の打者になるだろうと踏んで、ギアを上げたと思う。聞いていた通りだったよ、マジで。カットボールが良かった。本当にいい選手だ」

▽パドレスのタティス内野手(1回先頭の打席で大谷と対戦)「彼はあらゆる球を投げてきたよ。ストレートしか投げてこないと思っていたのに。100マイル(約161キロ)の速球を投げるんだからさ。頼むよ(笑い)」

▽ナショナルズの先発右腕シャーザー(1回に打者大谷と対戦)「初球から振ってくるという予感がしていた。ファウルになってくれて幸運だった。バッターボックスに入った彼の印象は、背が高いということ。高めのカットボールを投げるのに、いつもよりさらに高めを狙った。ゴロに打ち取れたのは幸運だった」

▽ホワイトソックス救援右腕ヘンドリックス(オーストラリア出身。球宴セーブを挙げ)「本当にグローバルだよ。すでに多くの海外選手はいるが、ショウヘイのプレーを見て、さらに多くの選手が来ることを願っている」