ツインズ前田健太投手(33)が8日(日本時間9日)、アストロズ戦に先発し、5回6安打3失点で今季5勝目(4敗)を挙げた。序盤から不運な失点が重なったものの、五輪で悲願の金メダルを獲得した侍ジャパンの活躍を刺激に、7月4日(ロイヤルズ戦)以来となる白星を手にした。

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優勝争いから脱落したツ軍前田にすれば、モチベーションを保つのは簡単ではなかった。ただ、この日はあらためて確たる思いを胸にプレートを踏んだ。7日に楽天田中将、巨人坂本ら同い年が主軸となった侍ジャパンが、東京五輪で金メダルを獲得した。遠征中のヒューストンでは、決勝戦の開始時間は午前5時。登板を控えており、生中継で観戦するわけにはいかなかったが、右腕は思いを募らせていた。

「さすがに起きられないので、結果だけですね。本当にうれしいです。金メダルは素晴らしいことだと思いますし、うらやましい気持ちと、刺激をもらいました。自分とチームは苦しい状況ですけど、日本の金メダル、後輩、同級生が頑張っている姿を見て、あらためて刺激をもらいました。僕自身も気持ちを入れ替えて頑張ろう、という気持ちになりました」

いかにプロとはいえ、目標が薄れたまま戦うことは簡単ではない。この日は、初回に打ち取った当たりが安打になったことも絡んで失点。4回には、3アウト目をコールされたプレーがチャレンジでセーフに覆り、その間に生還していた走者の得点が認められるなど、不運も重なった。それでも気持ちは切れなかった。粘り強い投球を打線が援護し逆転。リードを保って救援陣につなぎ、7月4日以来の白星を手にした。

ア・リーグ中地区最下位に低迷するチームは、トレード期限前に主力数選手を放出。チーム再建へ方向転換した。「モチベーションを保つのは難しいですけど、チームが勝てるように、気持ちを切らさずにやっていきたいです」。異なる舞台とはいえ、五輪で躍動した仲間の姿を、しっかりと心に刻んだ。侍たちの心意気は間違いなく、前田にも伝わった。【四竈衛】