【アーリントン(米テキサス州)29日(日本時間30日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、今季最終戦に登板しないことが決まった。ベーブ・ルース以来として期待された「2ケタ勝利&2ケタ本塁打」は来季へ持ち越し。残り4試合は打者に専念し、逆転での本塁打王を目指す。「1番DH」で出場したこの日のレンジャーズ戦は、アーチこそなかったものの5打数2安打。史上6人目となる45本塁打&25盗塁を記録するとともに、100得点もマークし、メジャー初の「クワドラプル100」を達成。記録ラッシュの1日になった。

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偉業達成はならなくても、エンゼルス大谷翔平投手(27)がア・リーグのMVP最有力であることに変わりはない。

本塁打数(45本)ではロイヤルズのペレス、ブルージェイズ・ゲレロに抜かれ、打率(2割5分8厘)も両者に比べて低い。だが投手で9勝2敗、防御率3・18の成績を残し、米メディアの間でもMVP筆頭候補の報道が続く。

MLB公式サイトでは専門家による投票を行い、大谷が圧倒的多数の1位票を獲得。8月中旬と9月中旬の投票結果でともに断トツだった。エンゼルス・マドン監督のMVP推しも強い。21日に大谷が45号本塁打を放った際には「(大谷以外の候補選手は)みんな2位、3位、4位だね」とニンマリ。この日のレンジャーズ戦でも、9回に放った打球速度109マイル(約175キロ)の安打に「MVPだと思わせる打球」と改めて太鼓判を押した。

シーズン終了と同時に全米野球記者協会に属している記者により投票され、例年、ワールドシリーズ終了後の11月に発表となる。10勝到達はならなくても、大谷のMVPは堅そうだ。